理学療法士の勉強メモ

このブログでは理学療法士として働く私の日々の勉強や疑問、はたまた趣味等を綴っていきたいと思っています

変形性膝関節症の基礎!基本的な運動療法とは?

こんにちは。

今日はラグビーWカップ南アフリカ戦ですね。

試合を横目で見ながら、記事を書いております。(笑)

私自身はサッカーしかしておらず、ラグビーのルール等はからっきしなのですが

キックやタックル・ラン等のスーパープレイは思わず叫んでしまうほど

アツくなって見てしまいます。

 

さて、本日は特に肥満体系の方や女性に多く見られる変形性膝関節症について

纏めてみたいと思います。

 

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〇変形性膝関節症とは?

一次性二次性に分けられ、明らかな原因がなく、

加齢や慢性的なストレスがかかり生じるものが一次性

炎症や代謝性疾患に伴い生じるものが二次性といわれています。

頻度としては一次性のものが多く、

一次性の膝関節症は50~60代の女性に多く見られます。

明らかな原因なしに発症し、初期症状として

歩き始めや立ち上がり時に疼痛を生じますが徐々に消失します。

症状が進行すると疼痛により歩行距離の減少炎症による腫脹

関節液の貯留や大腿四頭筋の萎縮関節可動域制限等をきたします。

 

 

〇何故、痛みが生じる?

変形性膝関節症では上記のKL分類進行後に裂隙の狭小化や骨棘形成が行われ、

変化した関節構造体へストレスが加わることで

血管内皮細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、腱細胞等から

COX-IIやIL-1betaなどの炎症性サイトカインが産生されることが

疼痛の一つの原因であると考えられています。

(引用:変形性膝関節症に対する運動療法の効果の機序)

 

また、筋力低下は下肢の不使用→筋力低下→疼痛出現という流れで

筋力低下が疼痛に関与しているとの考えが主流でしたが、

昨今では疼痛出現→下肢の不使用→筋力低下という

疼痛が出現した結果、筋力低下が生じてしまうとの考え方も出てきています。

 

〇いざ、運動療法へ!

では痛みに対してどのような運動療法を行うのが良いのでしょうか?

 

大腿四頭筋の筋力訓練

やはりこれが一つ大きな要因として上がります。

上記の疼痛の部分で疼痛出現の結果、筋力低下が生じる可能性があると記載し、

また、大腿四頭筋の筋力強化は膝関節の内反ベクトルを弱める作用はないとのことが

報告されつつあります。

しかし、変形性膝関節症のストレスにより放出された炎症性サイトカインは

筋力訓練により筋から放出されるマイオカインというサイトカインの持つ

抗炎症作用により減少し、除痛に関与することが

報告されています。

また、それ以外にも筋力低下をきたした結果、立ち上がり等の動作へ

悪影響を与えている可能性もある為、

しっかりと筋力訓練を行うことは非常に重要であるといえます。

 

Ⅱ殿筋群の筋力訓練

大殿筋や中殿筋等の股関節伸展・外転に関わる筋肉のトレーニングにより

立位姿勢時の変形性膝関節症患者の膝関節伸展可動域が変化したとの報告があります。

また、股関節周囲の筋力向上により骨盤制御能力が向上することで

膝関節にかかるカニカルストレスの軽減が可能であるとされています。

さらに内反型変形を呈した変形性膝関節症の方では

膝関節のストレスを軽減させる為、

デュシャンヌ様歩行(支持側の下肢に体を傾ける歩行方法)を呈することがあり

このような歩行は股関節外転筋の不使用により筋力低下を招きます。

このように股関節周囲の筋力を強化することも非常に重要です。

 

Ⅲ膝関節の可動域確保

初期の変形性膝関節症患者では膝伸展可動域が減少するとされています。

これが進行により徐々に可動域制限が大きくなり、

膝関節屈曲位での歩行膝関節へのメカニカルストレスを増大させます。

ストレスが増大すると関節の変形は助長されます。

その為、膝の伸展制限となりうる膝蓋骨の可動性やハムストリングスや膝窩筋、

膝蓋下脂肪体等へのアプローチは重要であると言えます。

また、膝関節以外にも

腰椎の後弯は運動連鎖により膝関節を屈曲させます。

この腰椎や膝関節は加齢により可動域制限を起こしやすい関節を言われている為、

しっかりと可動域を維持しましょう。

 

〇まとめ

まだまだ変形性膝関節症についての勉強は足りていませんが

基本部分はこの辺りかと思います。

関節が一つ変形すると運動連鎖により全身へ影響を及ぼす為、

変形性膝関節症の患者様へ治療する際は全身を評価する必要がある為、

上記の運動療法等はほんの一部です。

変形性膝関節症について簡単に纏めましたが

まだまだ奥が深く、膝関節はへのアプローチは多岐にわたります。

また、時間がある時に膝関節からの運動連鎖や

更に具体的なアプローチについて纏めてみたいと思います。