理学療法士の勉強メモ

このブログでは理学療法士として働く私の日々の勉強や疑問、はたまた趣味等を綴っていきたいと思っています

臨床! 歩行時の踵接地の衝撃吸収について!

こんばんは。

 

ブログの亢進が出来ておりませんでしたが、またアウトプットを再開していきます。

最近はコロナの件で研修会等で知識をインプットする機会は少なくなりましたが、

コツコツ頑張ろうかと思います。

 

では、今回は今日の臨床で見た初期接地時に衝撃吸収出来ていない膝OA患者について

思うことがあったので考えてみたいと思います。

 

目次

 

 

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〇歩行時の踵接地は大変である・・・

歩行時の踵接地。患者さんに意識してもらう機会は多いですよね。

歩行時には重心はミッドスタンス(以下Mst)の最大地点から

最低地点であるローディングレスポンス(以下LR)へと上下します。

この歩行時の重心上下動の平均値は約2.5㎝であると言われています。

 

遊脚期から踵をつくこの瞬間にも重心の上下動は起こっており、

2㎝程度落下すると言われています。

なかなかパッとイメージがつきませんが、重心が2㎝落下すると言われている衝撃は

体重のおよそ1.5~2倍となるそうです。

 

私の体重が約70kgですので105kg~140kgの衝撃がかかることになります。

それだけの重みを吸収するのですから、大変ですよね。。。

 

また、その際に私たちは歩行をしている訳ですから、

衝撃を吸収するだけでなく、前へ進まなければいけません。

このタイミングでは衝撃吸収+勢いをなくさないことが重要となります。

 

〇踵接地は重要である・・・

上記に述べました踵接地のタイミングでは衝撃を吸収+勢いをなくさないことが

非常に重要となります。

その為には踵の形状は非常に目的に適しています。

丸みを帯びた形状を利用することで踵接地の際に勢いをなくさず、

前方へ回転することが出来ます。

 

股関節・足関節は臼蓋や関節にはまり込むことで衝撃を吸収し、

膝関節は

体幹を直立に保ちつつ、踵接地することで床反力は股関節の後方を通り、

大殿筋やハムストリングス・大内転筋の活動を起こします。

骨盤の前傾やこの後面筋の活動により大腿・下腿は内旋します。(大腿>下腿)

この回旋により膝関節は側副靭帯等により安定性を得ます。

 

もし踵接地が出来ず、足底接地等で歩行を行うと

まず前方への勢いをなくしてしまい、常々歩行にブレーキをかけることとなります。

これは効率性を重視する人間の歩行において非常に不効率です。

また、衝撃吸収の際に下肢のアライメントが崩れ、衝撃を吸収できず、

関節への負担を増大させ、OA等の方では運動連鎖により膝内反の増強などを招き、

疼痛誘発の原因の一つになります。

 

〇踵接地を強調する為のトレーニング・・・

上記のように踵接地を促していく為に何をすればいいでしょうか?

ステップ課題等方法はたくさんあります。

今回は、私がよく行う方法について紹介します。

 

 キッキングにて踵荷重を意識

臥位にてキッキングのエクササイズを行うことは多いと思います。

その際に足底から抵抗をかける場面をよく見るのですが、

この際に踵部分特に外果から抵抗をかけるように意識します。

足底部分を把持すると股関節・膝関節伸展+足関節底屈筋の収縮が入りますが、

踵荷重を意識させることで股関節・膝関節伸展+足関節背屈の収縮が入り、

踵荷重を意識しつつ、起立等につなげやすいより実用的な運動となります。

 

また、外果周囲を押さえるのは歩行時の踵接地の際に

常歩行では踵接地時に踵骨はわずかに回外し、外側から接地します。

踵意識に加え、足部の回外等が生じることでより歩行の踵接地時に

近い筋活動を促すことが出来ます。

 

また、よければお試しください。

 

〇まとめ

踵接地は正常歩行において非常に重要な観点です。

脳卒中においても正常に近い踵接地を促すためにGait Solutionといった

装具が開発されたぐらいですから。

臨床! 膝関節の手術後に多い膝の痛みに対しての治療

こんばんわ。

依然としてコロナのニュースが多数ですね。

実は私も4月に結婚式を控えていたのですが、

真剣に延期や中止を考えています。次回の打ち合わせで相談予定(´;ω;`)

 

今回ですが、昨日の臨床でたまたま代わりに担当した方で

膝関節術後の疼痛に悩んでいる方がいて、

その時の治療について纏めてみます。

 

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〇痛みの部位 

大腿遠位外側の腸脛靭帯部分と膝蓋骨の内側部に歩行時の疼痛の訴えあり。

 

〇痛みについて

見させていただいた方は歩行時に手術を行った側の膝関節痛の訴えがありました。

 TKAの術後の方でしたが、膝蓋骨は上方・外側へ移動し、

膝蓋靭帯の内側部にわずかな腫脹がみられました。

腫脹部分に圧刺激を加えると疼痛が生じています。

 

大腿外側の筋膜張筋や外側ハムストリングスの緊張は高く、ラセーグ徴候も陽性

足関節はアーチ機能が低下し、偏平足傾向でした。

 

ここで歩行動作を確認すると

T-caneを使用し、

骨盤は外側へスウェイし、股関節は外旋し、距骨下関節では回内がみられました。

間にある膝関節では内反ストレスがかかり、TKAの術後であるにもかかわらず、

術前と同様のストレスにさらされていました。

 

これらのことから大腿外側の疼痛は股関節での前額面上のコントロールが不良であり、

張力での姿勢の保持を行っていたことによるストレス。

これは股関節外転筋の筋力低下や足部のアーチ機能低下により

上手く床反力が受け取れていないことが一つの原因であると考えます。

 

膝関節内側の疼痛は腸脛靭帯や外側ハムストリングスの柔軟性低下や上記の歩行により

膝蓋骨が外側へ偏移することで膝蓋下脂肪体が外側への行き場をなくし、

内側に貯留したことによる疼痛であると推測しました。

 

股関節外旋については歩行時に意識すれば修正可能であるものの

修正により膝関節後面の疼痛が生じてしまうことがあり、

疼痛回避の為の歩容であったとのことです。

確認すると後面筋の硬さがみられました。

 

〇アプローチ

まず、床反力を上手く受け取る為に足部にインソールを装着し、土台を整えます。

 

次に大腿筋膜張筋や外側ハムストリングスのリラクゼーション・伸長を図ります。

外側ハムストリングスの短縮は腸脛靭帯を

側方から後方へ偏移させてしまうこともある為、しっかりと緊張をとります。

 

次に膝蓋骨のモビライゼーションを行いつつ、下方・内側方向へ持ってきつつ、

内側の脂肪体を膝関節の奥へ押しやるようにモビライゼーションを行います。

 

膝蓋骨の位置や脂肪体の腫脹が軽減してきたら、一度歩行を行います。

すると大腿外側や膝蓋骨内側の疼痛の消失はみられますが、

依然として股関節外旋の修正を行うと膝関節後面の疼痛がある状態でした。

 

ここで後面筋の硬さの硬さに再度注目します。

この後面筋であるハムストリングス腓腹筋は筋膜連結によりつながっており、

この連結部に問題があると疼痛をきたすことがある為、これらをリリースします。

 

すると膝関節後面の疼痛の消失がみられました。

 

しかし、歩行距離の延長では股関節での制御が困難であり、

再び骨盤のスウェイ出現がみられた為、

今後、殿筋への筋力強化も行う必要があります。

 

〇まとめ

今回は事前にある程度、情報を頂いていたことや

たまたま「ここだ!」と思った点が当たり、上手くいきました。

しかし、まだまだ言語化できていない部分もあり、

改めて纏めてみるとまだまだ勉強不足だなと感じさせられました。

 

今後、更に勉強して、もっと効果的な臨床を行えるよう精進します。

 

一応、以前の記事もご参考に・・・

 

www.tanimax.work

 

 

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膝関節の痛み! 膝痛に大きく関与する膝蓋下脂肪体とは?

こんにちは。

 

近頃、コロナウイルスの問題によって大変なことになっていますね。

私も今年の春に控えていた結婚式をどうするかや

3月に演題発表を行う予定であった学会が度々中止になってしまい、

頭を悩ませています。

 

さて、今回は膝関節の疼痛に大きく関与する膝蓋下脂肪体について

纏めてみたいと思います。

膝蓋下脂肪体は膝OAの方や外傷等により問題をきたすことで

膝関節の疼痛に大きく関与していると近年言われており、

リハビリを行う上でも生活を行う上でも非常に重要な組織であると思います。

 

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目次

 

膝蓋下脂肪体とは

膝蓋下脂肪体(Infrapatellar Pad:以下IFP)は膝蓋骨周囲を満たす組織で

豊富な血管支配・神経支配を持つとされている。

IFPは関節包の内側や滑膜の外側に存在し、膝蓋靱帯深部の間隙を埋め、

関節運動に伴い機能的に変形することで関節内の内圧調整に関与する。

 

□膝関節伸展時には

脛骨大腿関節間から膝蓋靭帯に流れるように移動する。

□膝関節屈曲時には

膝蓋靭帯部から脛骨大腿関節部脛骨大腿関節間に流れ込む

屈曲については屈曲0°~20°又は深屈曲時に大きく問題が生じるとされています。

 

この上記の動きが長期間の安静や炎症、膝関節変形等により

柔軟性の低下やIFPの動きが変形により阻害されることで

伸展時にインピンジメントを起こしたり、

屈曲時に上手く、IFPの柔軟な変形や流れ込み・内圧上昇により

膝前面の疼痛をきたしたり、関節可動域制限につながるとされている。

 

このIFPの問題により立ち上がりや階段昇降時など

CKCの状態での膝の曲げ伸ばし時に

膝前面に疼痛をきたす方が非常に多い印象があります。

 

 

膝蓋下脂肪体の評価方法

膝蓋下脂肪体の障害の程度の評価方法ですが、

一番はやはり下記のようにエコーやMRI等により鑑別を行うのがbestです。

 

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引用:ハンドボール選手に生じた膝前方部痛の解釈 ,久保田ら

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引用:Evaluation and Treatment of Disorders of the Infrapatellar Fat Pad ,Jason L. Dragoo

 

しかし、日常的にそのような機器の使用はできません。

そこで私が指標にしているのは

まず上記のようにCKC下での膝屈伸時の疼痛の評価を行い、

次に膝蓋骨の位置の評価を行います。

IFPに問題を抱えた方の多くはパテラの内側や上下方偏移をきたしています。

 

また、IFPへ圧刺激を加えたり、圧を加えたまま膝関節伸展を行う等も重要です。

IFPは前方から見ると膝蓋靭帯の側方に位置しており、

その部分が隆起しているのか・圧痛の有無・圧を加えたまま伸展し、

疼痛が誘発されるか等を確認します。

これは伸展時に膝蓋靭帯方向へ流れ込む組織が柔軟性低下等で移動が制限されていると

その組織を抑え込むことでさらにインピンジメントが生じ、

疼痛が誘発されると考えています。

 

 

膝蓋下脂肪体に対するアプローチ

IFPへのアプローチとして

モビライゼーションやテーピングがあります。

 

□モビライゼーション

パテラが外側偏移や上方へ偏移していれば、

対側を基準として元の位置へ誘導し、その中でIFPへのリラクゼーションを行います。

膝蓋靭帯の内側部が膨隆していたなら、奥へ流し込むように誘導したり、

パテラの位置を修正する為、

前後左右・斜めへパテラのモビライゼーションを行います。

この時、少しゴリゴリという感触があることが多いですが、

このゴリゴリという感触はIFPの柔軟性低下による物である可能性があります。

 

□テーピング

IFPへのテーピングとしてMcConnell式のテーピングが推奨されています。

 

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引用:Evaluation and Treatment of Disorders of the Infrapatellar Fat Pad ,Jason L. Dragoo

➀膝蓋骨直上部分で内側から外側にかけてテーピング

➁膝蓋靭帯内側部から後内側へ向かってテーピング

③膝蓋靭帯外側部から後外側へ向かってテーピング

 

を行います。

この上記のテーピングによりIFPの持ち上げが確認され、

膝関節の膝蓋靭帯下部で可動性の制限のあったIFPや

内側又は外側に貯留していたIFPを適正な位置に補正し除痛に関与したと考えます。

また、テーピングによりパテラの位置の補正や膝関節伸展筋の出力向上がみられた

との報告もあり、膝関節OA等に対しても有効であると考えます。

 

 

まとめ

今回、膝蓋下脂肪体(IFP)について纏めてみました。

アプローチの紹介としてモビライゼーションやテーピングをあげましたが、

膝関節へのメカニカルストレスを減らす為に股関節周囲筋のトレーニングや

足部に対するインソール等のアプローチも重要です。

 

また、治療方法は一つではなく、個々の症例によって様々ですが、

今回のモビライゼーションやテーピング、他のトレーニングを併用することで

より高い治療効果を生み出すことが出来ると考えています。

 

また、テーピングにおいて優れているのは

セラピストによるHands onでの治療ではなく、

方法によってはHands offの治療へつなげていける可能性があります。

また、モビライゼーション等も力加減や行う位置・姿勢等正しく指導ができれば、

実際にアプローチを行わなくても患者自身で疼痛を管理していく事が可能であると

私は考えています。

 

膝関節の疼痛の方でIFPに問題を抱える人は本当に多いので

是非試してみてください。

 

引用文献

久保田大夢ら,ハンドボール選手に生じた膝前方部痛の解釈 ──膝蓋下脂肪体に着目して──,日農医誌67巻4号,528~532頁,2018.11

Jason L. Dragoo.Christina Johnson.Jenny McConnell,Evaluation and Treatment of Disorders of the Infrapatellar Fat Pad, Sports Med 2012; 42 (1): 51-67 

村暁大.赤坂清和.泉美帆子,McConnellテーピングによる膝蓋骨内側偏位は膝関節伸展トルクを増加させる,理当療法学,特別号24,No.3

 

今日の臨床メモ・・・神経因性膀胱に対しての運動療法!

こんばんわ。

 

欲しかった教科書や自宅でのインソール検討用のポロンが届き、

俄然やる気が出てきました今日のこの頃です。

 

さて、今まで勉強した知識等について纏めることが多かったのですが、

これから時々、勉強したこととその日の臨床を振り返って、

どのようにリハビリしてみたのか・その効果は?

等についても時々纏めてみたいと思います。

 

 

さてさて、では臨床とからめてどんなことを書こうかなと思ったのですが、

正直今は排尿障害に悩まされています。

まさか、ここまで悩まされるとは・・・

 

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では今日の流れは

 

□神経因性膀胱とは

神経因性膀胱とは,神経疾患によって生じる膀胱およびその排出路(併せて下部尿路と呼ぶ)の機能障害の総称であり.本来,神経因性下部尿路機能障害(Neurogenic Lower Urinary Tract Dysfunction:NLUTD)と呼ぶべき病態である.(岩坪ら,2011)

と文献の中では纏められています。

また、障害をきたす部位として

➀脳幹部(橋)より上位中枢の障害

➁脳幹部(橋)の障害

③仙髄より上位の脊髄障害

➃仙髄または末梢神経障害

の4種類に大別されるとされています。

 

今回の対象患者では➀の脳幹より上位の障害により脳幹に存在する排尿中枢(PMC)

のコントロールがきかなくなった。

加えて、網様体脊髄路等の問題により腹部のインナー筋(特に腹横筋)の収縮が弱化し、

腹圧をかけることが困難になったことが原因であると考えられた。

 

□問題点

上記の神経的な問題により排尿時に腹圧が十分にかからず、

残尿が残ってしまうことが多々みられていた。

薬剤の調整等は並行して行っているものの大きな改善は得られていない。

また、介入当初は腹部・臀部の緊張が低く、歩行困難であった為、

歩行獲得を目指し、介入を行い、結果として歩行獲得に至った。

腹部の緊張はわずかに改善を認めたものの依然として緊張は低く、

呼気持続時間や最大呼気圧等は改善が得られていない。

 

まず、神経因性膀胱により膀胱周囲の骨盤底筋群等は低緊張であると仮説をたてた。

骨盤底筋群の収縮の促しの為には腹部の収縮が必要であるとされている。

骨盤底筋群の収縮は腹部筋の活性化させ、

逆に腹部の収縮も骨盤底筋群を活性化させるとの報告から

腹部(特に腹横筋)へのアプローチを中心に行った。

 

 

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□アプローチ

➀ドローインによる腹部収縮の感知・腹部収縮の持続の促し

➁腹部の収縮を持続し、上下肢の運動につなげる(SLRや側臥位での股関節外旋)

③ストロー等を用いた呼気訓練により呼気時間の延長

 動作方法の習熟と共に問題意識を患者様と共有し、自主トレーニングへの移行

をまず実施しました。

また、この間の排尿時等の注意として手圧をかけるよう指導等を行いました。

 

□結果

3週間程度、歩行能力改善の為の運動療法と併用して、

上記の訓練を継続したところ残尿が1日平均200mL程度あったものが

20mL程度となり、十分な排尿が可能となりました。

 

□考察・感想

排尿に対してのリハビリテーションを行いましたが、

今回はたまたま仮説が当たり、上手くいったに過ぎないと感じました。

排尿障害の機序は多岐に渡り、

今回は膀胱周囲の骨盤底筋群の問題を主として考えていましたが、

尿排出の問題として骨盤底筋群以外にも尿道括約筋等も存在し、

それらは排尿時には弛緩する必要があります。

 

しかし、排尿に関する客観的な評価は困難であり、

また、私達のリハ環境では物品等も不足しており、

超音波での評価や磁気刺激でのアプローチ等は出来ず、

仮説ベースでの治療になってしまう部分ではあります。

 

また、今回本当に反省しないといけないのは歩行へのアプローチを行っている際に

もっと腹部の収縮を促すことが出来なかったのかという部分です。

 インナーユニットへのアプローチをもっと意識できていれば、

歩行能力向上とともに排尿の問題も解決したのではないかという疑問もある為、

次回に同様の症状の方を担当する場合は注意していきたいです。

 

参考文献

田中舎真由美,骨盤手筋群機能障害に対する評価とアプローチ,理学療法学 第35巻

第4号212〜215,2008 

岩坪ら,排尿障害のリハビリテーション,Jpn J Rehabil Med 48 : 87.116,2011

大脳基底核の役割とは?文献を読んで纏めてみた

こんばんは。

 

以前の記事では学習について纏めてみましたが、

中での基底核の部分について考えてみると以前考えてみた応用行動分析学

基底核による強化学習によるアプローチをメインにしているのですね。

 

応用行動分析学のみでは深く理解することが出来ませんでしたが、

基底核・小脳での学習過程を改めて纏めてみることで

自分の中でスッと落とし込むことが出来ました。

 

↓ご参考に・・・

 

www.tanimax.work

 

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ではでは、今回は改めて大脳基底核の機能について纏めてみたいと思います。

 

目次

 

 

大脳基底核とは

大脳皮質の底に位置し、被殻尾状核淡蒼球視床下核黒質からなる

核の一群を指します。

基底核は大脳等からの信号を尾状核被殻で受け取り、

淡蒼球の内節・黒質から視床を介して、様々な部分に信号を発信します。

 

 

大脳基底核の役割

・歩行や筋緊張の調節

基底核は中脳に存在する

脚橋被蓋核(PPN)中脳歩行誘発野(MLR)をコントロールします。

脚橋被蓋核は唯一筋緊張の抑制に関与し、他には眼球運動、嚥下、発声、排尿等

多くの調節に関与すると報告されています。

また、中脳歩行誘発野ではその名の通り歩行を誘発する領域です。

 

基底核の障害ではこれらの組織への抑制性の反応を強めることが多く、

筋緊張抑制作用を持つPPNへの抑制が強まることで

他の筋緊張亢進へ働く活動が促進され、筋緊張亢進がみられます。

また、MLRへの抑制により歩行開始の遅延等が生じます。

 

・運動の選択

基底核では大脳の運動野等でプログラムされた運動内容の細かな調整を行います。

基底核で運動の調整を行う際には3つの神経回路が働くとされています。

 

ハイパー直接路

直接路

間接路

 

これらは大脳皮質で運動のプログラムが作成されるとまずは

ハイパー直接路が働き、一度脳幹や大脳皮質の働きを抑制します。

次に直接路が働き、基底核の働きを抑制し、脳幹や大脳皮質の抑制が減少します。

最後に間接路が働き、再び脳幹や大脳皮質を抑制します。

この働きにより不必要なプログラムは抑制され、必要なプログラムが抽出されます。

 

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引用:大脳基底核による運動の制御,高草木薫

 

教科書等では上記のように記載されていることが多いのですが、

初めてこの文章を見たとき私はいったい何を言っているのかよくわかりませんでした。

 

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今でも何となくですが、自分なりに言い換えてみると

 

大脳皮質は大雑把に運動プログラムを定める為、

ハイパー直接路が一度「待った!」をかけます。

そして直接路が大雑把な運動プログラムの中の目的の運動を引っ張り出します。

その際に目的以外の運動プログラムが出てこないよう

間接路が念の為、「待った!」をかけるといった風な感じで考えています。

 

このような過程は随意運動に関わる大脳の運動野(4野)や

姿勢制御に関わる補足運動野や運動前野(6野)でのプログラム作成時に生じます。

 

・運動ループ・認知ループを形成する

大脳基底核は上記の運動ループや認知ループの一部を担います。

 

運動ループとは一次運動野や補足運動野・運動前野から始まり

被殻や小脳の内節→視床→再び一次運動野・補足運動野・運動前野に戻るループです。

 

認知ループとは前頭前野から始まり

尾状核や小脳の外節→視床→再び前頭前野に戻るループです。

 

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引用:大脳基底核による運動の制御,高草木薫

 

 

〇まとめ

基底核の役割について纏めてみました。

基底核の問題は筋緊張のみならず、歩行や認知機能にも影響します。

また、以前に纏めた強化学習にも影響を与えると考えられます。

パーキンソン病患者に対する運動学習の促しはグレードBといわれており、

運動の学習の為には強化学習のみでなく、

小脳由来の連続学習等を促す必要があります。

他の要因もありますがその為にも

視覚や聴覚を利用した学習の促しは有効であるといえますね。

 

 

参考文献

高草木薫,大脳基底核による運動の制御,臨床神経学 49巻6号,2009

嘉戸直樹,大脳基底核の機能,関西理学,5:73‐75,2005

運動学習とは?強化学習を意識してFBを行おう!

こんばんは。

 

演題登録が完了した学会や院内での新しい研究計画発表が近しくなり、

心地よい忙しさに追われている最近です(笑)

 

さて、本日は以前に挙げた応用行動分析学と重なる部分は少しあるかと思いますが、

日々の臨床において重要な運動の学習について纏めてみたいと思います。

 

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目次

 

 

□運動学習とは

簡単に言うと一つの運動技能を獲得するまでの流れをいいます。

私達セラピストも臨床を通じて姿勢制御や歩行の運動等を繰り返し行うことで

運動学習による動作の獲得を目指すと思います。

 

しかし、運動学習の段階については客観的に評価することが難しく、

また、学習過程に複雑なメカニズムもあり、

普段日常的に行っていることどのような意味合いを持っているのか。

更に学習を強固なものにするためにはどのようにすればいいのか等

正直曖昧な部分があります。

 

□二つの運動学習

運動学習には二つの習熟方法があります。

一つは大脳基底核を基にした連続学習(強化学習)

二つは小脳を基にした適応学習(教師あり学習)があります。

 

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学習開始の段階では脳の機能局在が分かれることはありません。

しかし、学習が進むにつれて、学習の方法によって

基底核、小脳へと分かれていくのです。

 

・連続学習(強化学習)とは

大脳基底核が中心となり、記憶をもとに運動の順序等を選択し、

報酬に基づいて記憶してきます。

 

例えば、50m走で効率的なフォームでの運動を学習したい際に

タイムという結果を得る為の学習過程であるといえます。

 

・適応学習(教師あり学習とは)

小脳が中心となり、感覚入力を元に運動のトライ&エラーを行い、

一連の運動を運動の発現前に修正し、

運動誤差を修正していく学習です。

 

□連続学習(強化学習)を効率的に行うには

まずは提供する運動の難易度を設定する必要があります。

簡単すぎる運動では患者様が成功体験の達成感を得られにくく、

難しすぎる内容ではそもそも成功ではなく、失敗の経験ばかりを得てしまいます。

その為に適切な運動課題の設定が重要になります。

運動課題については患者とその日の運動目標等を共有するのも一つの手だと思います。

 

次に適切な運動課題の設定が出来れば、

実施した運動に対して賞賛等正のフィードバックを提供し、

その運動過程を強化していく必要があります。

運動に対して報酬が確認できると基底核ドパミンが得られます。

過去の報告ではサル等の実験では運動の報酬が得られた場合、

更には運動の報酬が得られると予測された場合にドパミンの放出が確認されています。

 

□高齢者と健常者の違い・・・

若年者であれば、運動を学習する際に

上記で記載した連続学習の過程の報酬等がなくても、

運動の学習が得られることが多いです。

それは何故かというと若年者では適切な感覚のフィードバックが起こり、

以前の運動の経験を基に運動のトライ&エラーを繰り返すことで

適応学習(教師あり学習)による学習が行われているからです。

 

しかし、高齢者は加齢に伴い、視覚や体性感覚等の鈍麻が起こります。

更に脳卒中の方では視床領域等の感覚障害がなくても

固有感覚でのフィードバックが減少し、適応学習を適切に行うことが困難になります。

 

逆に言えば、感覚さえ適切に入力されれば、適応学習が可能になります。

 

□まとめ

私達セラピストは高齢者の方が感覚の入力阻害により適応学習が行われにくく、

連続学習での学習がメインになっていることを把握しておく必要があります。

効率的な運動学習を進める為に

一つ目は

連続学習による学習を促す為、運動の難易度やフィードバック入力を考えること

二つ目は

適応学習が困難といっても小脳自体の問題がなければ、

固有感覚等適切な感覚入力を促すことで適応学習を行うことが出来る為、

感覚入力にも重きを置く必要があります。

 

参考文献

久保田競ら,学習と脳,サイエンス社

石井信,強化学習と脳における報酬系の情報処理,Bussei Kenkyu
大脳基底核の機能,嘉戸直樹,関西理学,5:73‐75,2005

Schultz W et al,A neural substrate of prediction and reward.Science,

1997 Mar 14;275(5306):1593-9

 

 

院内勤務のセラピストがデイサービス等地域でバイト!ニーズの違いを理解しよう!

こんばんわ。

 

SNSに今まで無頓着でしたが、

ついにTwitterを始めてみようかなという気になりました、今日この頃です(笑)

 

さて、私は回復期病院に勤務しつつ、小規模デイサービスで週1~2回

アルバイトをしています。

おそらく、セラピストの給料は今後も大きく上昇せず、

本業+アルバイトのダブルワークや非正規雇用で訪問リハビリ等を

かけもつような働き方が増えてくるのではないかと思います。

 

そこで私がデイサービスのアルバイトで感じたことを纏めてみたいと思います。

 

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〇デイサービスとは

まずデイサービスとは何なのかからですが、

デイサービスとは通所介護とも呼ばれています。

利用の目的は様々ですが、

介護を必要とした方が福祉施設に赴き、食事や入浴・施設によってはリハビリ・

会話やレクリエーションを通じ、他の利用者の方との交流等を楽しめる場です。

 

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利用の目的は多岐に渡り、

〇家族の方の入浴介助や日々の介助等の負担軽減

〇自宅の中ではふさぎ込みがちになってしまう方の外出の促し

〇健康状態の維持

等など様々な目的で利用されています。

 

また、デイサービスにも種類があり、

中にはレクリエーション以外にエステやネイル等

趣味活動を行うことのできるデイサービスや

リハビリに特化した機能訓練型デイサービス

認知症対応に特化した認知症対応型デイサービス等があります。

 

それぞれの健康状態や介護状況、必要性により様々な場を選ぶことができます。

 

※間違いやすいのですが、デイケアとデイサービスは異なっており

デイケアは通所リハビリとなっており、更にリハビリに特化した形になっています。

 

〇多岐にわたるニーズの違いを理解しよう

私はリハビリテーションという技術を用いて、対象の方のニーズを満たすことが

私たちの仕事であると考えています。

上記の多岐にわたる目的の元でデイサービスを利用している方・又は家族様の

ニーズを理解し、ニーズに沿ったものを提供する必要があります。

 

院内での医療保険を用いたリハビリでは在宅復帰等を目指し、

疾患による機能障害に着目し、

リハビリテーションを行うことがニーズの達成につながることが大半ですが

デイサービス等の場では

負荷の高いADL動作を行った為、筋のリラクゼーションを求めている方

リハビリでの機能維持・向上を求めている方

中には利用者はリハビリを行いたくないけど、ご家族様が機能訓練を望んでいる方

等がいらっしゃいます。

完全にニーズを満たすことは困難かもしれませんが、

そのような点を考慮し、サービスを提供することが重要ではないでしょうか。

 

〇ホスピタリティの精神が大事?

また、デイサービス等は近年、たくさんの施設が作られており、

地域によっては利用者の獲得が難しくなりつつあります。

利用者を獲得する為には利用者の方々から

選んでもらえるようなサービスを提供する必要があります。

 

その為の考え方として私はホスピタリティの精神が重要になると考えています。

ホスピタリティとは「思いやり」「心のこもった手厚いおもてなし」「歓待」

といった意味を持ち、医療の現場のみならず、ホテルやディズニーランド等で

良く使用されている言葉ですね。

 

 

私達セラピストもサービス提供の一端を担っていますので、

ニーズを理解し、ホスピタリティの精神を持ちつつ、

サービスを提供していく必要があります。

 

〇まとめ

医療の分野と異なり、介護の分野ではニーズが多岐に渡る為、

しっかりとニーズ・ホスピタリティを念頭に入れた上でのサービス提供が必須です。

逆にそのような部分を満たせないセラピストは

施設等から求められない可能性もあります。

 

働く現場が変われば、提供する技術・精神も異なるということを

頭に入れ、例え週に数回のアルバイトであっても

しっかりと法人・施設に有益な人材となれるよう尽力したいと思います。

ボバースアプローチの基礎の姿勢制御について!ただいま勉強中です!

こんばんは。

今まではインフルエンザのニュースで埋め尽くされていたのに

最近では中国のコロナウイルスが猛威をふるっていますね。

 

医療従事者としてしっかりと健康管理を行わねば。

ちなみに最も予防において重要なのは運動と手洗いみたいなので

徹底して行っていきたいと思います。

 

さて、今回は私が昨年から勉強し始めたボバースアプローチについて

概要について簡単に纏めてみたいと思います。

 

 

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目次

 

〇 ボバースアプローチとは

過去にカレル・ボバース夫妻が提唱した理論で現在もセラピストの方々の中で

根強い支持をもつ、技術の一つです。

定義としては過去に

「中枢神経系の損傷による姿勢緊張・運動・動機づけの問題を持つ人々の

評価と治療の問題解決法である。

治療の目的は促通を通じて姿勢コントロールと選択運動を改善することにあり、

機能を最大限に引き出すこと」

とされました。

 

ボバースアプローチを考えるにあたり上記の定義に何度か出てくる

姿勢という言葉が非常に重要な意味を持ちます。

人は何か動作を行うにあたり無意識の内に姿勢をコントロールしています。

逆に言うと姿勢コントロールが障害されると目的である動作を行うのに

非常に大きな問題をきたすことになります。

 

〇姿勢制御とは

では次に姿勢制御とはですが、

歩行及び姿勢の変換時のバランス制御には

移動する身体の重心の複雑な制御が必要です。

 

複雑な制御とはいくつかの要因が絡み合いなされており、

今回は

予測的姿勢制御(APA)

姿勢反応(CPA)

について考えてみます。

 

▲予測的姿勢制御(APA)とは

APAとはいわゆるフィードフォワード制御のことを指します。

人は運動を行う前に無意識の内に先行し、

それに見合った重心の位置や姿勢筋緊張を制御したり、

運動の最中にその状況に合わせて先回りし、

状況に見合った重心の移動や姿勢筋緊張を調整する機能があります。

これをAPAといい、大別すると前者をpAPA・後者をAPAsといいます。

 

例に出すと、椅子等から起立する際に人は運動開始前に

大腰筋や多裂筋で床反力作用点を後方へ移動させ、重心の前方移動を可能とします。

これは上記のpAPAによる作用です。

この制御が障害されていると起立時に重心の円滑な前方移動が制限され、

胸椎の過剰な屈曲での代償や後方重心のまま起立を行ってしまいます。

 

▲姿勢反応(CPA)とは

CPAとはいわゆるフィードバック制御のことを指します。

APAは感覚を用いず、自身の内的な制御のみで完了するのに対して

CPA足部の内在筋等から感覚情報を受け取り、

その感覚に応じた姿勢反応を行うことを指します。

例を挙げると外乱に対する姿勢制御や

起立時に足部への荷重がかかった際に荷重量や運動の向きが下肢から入力され、

それに応じた筋発揮を発生させる際の姿勢制御を指します。

 

また、これらのような運動プログラムは脳内の後頭頂皮質等に蓄積された

身体図式を元に形成されます。

APA等に関する脳内の活動や下降路についてはまた纏めてみたいと思います。

 

〇姿勢制御の中心となるコアコントロール

コアコントロールとは姿勢制御の一部であり、

中核をなす要素であるといえます。

コアコントロールとは筋骨格系の中核を協調的にまた連続的に活性化することであり、

安定性を崩すような運動に対して、予測又は反応する際に効率的な運動を行う為の

多関節運動連鎖であると述べられています。

少しAPAの部分と似通っていますね。

このAPAを上手く活用する為にはコアと呼ばれる部分の働きが重要になります。

 

このコアを形成する筋肉は

多裂筋・骨盤底筋群・横隔膜・腹横筋

になります。

 

これらを上手く促通し、無意識的なコアコントロールの活動が得られることで

APA等の姿勢制御能力向上を図ります。

 

 

 

これら姿勢制御の部分がボバースアプローチの根幹を占める部分になります。

しかし、これでもまだ姿勢制御の一部の部分であり、

APA等も脳活動等含めると沢山の要素があります。

 

一度にすべて纏めることはできないので今後も少しずつ纏めてみたいと思います。

 

引用文献:Postural Control Adaptability to Floor Oscillation in the Elderly,Fuziwara…

引用書籍:ボバースアプローチ基礎編,古澤ら

利用者のやる気を管理する!自己効力感を意識してみよう!

こんばんわ。

 

諸事情があり1か月以上、更新を休止してしまいました。

しかし、今月末よりまたブログを更新する時間がもてそうな為、

また、1から頑張ってアウトプットを行っていきたいと思います。

 

本日は私も今勉強中の自己効力感(self-efficacy)について纏めてみたいと思います。

 

目次

 

 

〇自己効力感とは

行動を遂行することができると自分の可能性を認識していることを自己効力感と呼び、自己効力感が強いほど実際にその行動を遂行できる傾向にあると述べいます。

 

 

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簡単に解釈すると、行動を行うのにどれだけ自信があるのかということですかね。

要はやる気です。(笑)

 

この自己効力感ですが欧米の研究では健康行動の自己管理や健康教育等の分野で

多くの研究がなされています。

 

では次に自己効力感が高い場合の報告を数件纏めてみます。

 

〇自己効力感が高いとどのような効果がある?

➀.回復期病院退院後の患者において自己効力感が高い群・低い群で

歩行速度やバランス、ADLの値をそれぞれ比較したものでは

自己効力感の高い群は歩行速度・バランス共に優位に高いと報告されました。

 

➁.慢性疾患患者において自己効力感と心理的ストレスとの相関を確認したものでは

やはり自己効力感が高い方がストレス係数は低いとの報告がされています。

 

ci.nii.ac.jp

 

等など、他にも様々な報告がされており、

自己効力感は健康指導等にも関わるリハビリテーションにおいて

非常に重要な視点であるといえます。

 

〇自己効力感の認識に影響を与える因子

 

➀行動に対する意味付け・必要性

何のためにその行動を行うのか明確である方が自己効力感は高く、課題にとりくみやすいとされています。

 

➁達成するための方法

課題を達成するための方法が明確であるほど自己効力感は高いとされています。

 

③物事の原因

これは少しわかりにくいですが物事の成功・失敗の原因と環境因子ではなく自分の能力であるとするほうが自己効力感が高いとされています。

 

➃認知機能

過去や未来の自分と関連付けることや自分自身を振り返る内省の能力が必要であるとされています。

これらは7歳~12歳頃に備わります。

 

⑤健康状態

より健康状態が良好な方が自己効力感は高いとされています。

 

 

さて、簡単に自己効力感に影響を与える因子について纏めてみました。

難しく書いていますが要は

課題や目的・方法が明確であり、成功・失敗の原因について

しっかりと振り返り・反省し、自己分析する事が出来れば

高い自己効力感を保つことができるのだと考えています。

 

〇自己効力感を得た結果生じるものとは

➀行動の達成

➁達成に向けた努力

③似たような状況での達成感

 →似たような状況であっても同様の結果が得られる

心理的・生理的反応

 →不安や恐れの強弱

が得られるとされています。

 

 

〇これらを活かすためには

まず、当然ですがリハビリテーションを行うにあたり患者様の自己効力感の高低

は今後の生活や訓練内容に大きく関わります。

日々の関りの中で機能訓練も出来、かつ自己効力感も高めるような関りが出来れば

本当にベストであると考えています。

 

患者様は、実際には運動ができていても

実際は行動に対する自信がないことが予想されます。

何故なら、自分が上手く歩けているのか・筋力がついているのか等

細かな変化を自分だけで気づくことはなかなか出来ません。

 

患者様の支援として専門知識と技術に基づいた方法成功体験を蓄積していき

医療従事者又は家族や友達から賞賛等のフィードバックを与え、

また、他の患者様等の成功等を目の当たりにすることで

運動自己効力感を高めることができると考えます。

 

当たり前のことですが本当に日々の臨床の中で

この自己効力感いわばやる気の重要性はひしひしと感じます。

 

リハビリ専門職としてどのように患者様の変化を出すのかに加え、

それをどのように患者様にわかりやすく伝え、やる気を引き出すことも

重要な技術であると言えると思います。

 

今回は自己効力感について簡単に纏めただけで実際にどのように評価を行うのか等

まだまだ、勉強しなければいけない部分はあるので

またの機会に纏めれたらと思います。

 

引用文献

高齢入院患者の運動自己効力感を高める要因:北脇ら,米子医誌 J Yonago Med Ass 68,9-16,2017

 

www.jstage.jst.go.jp

 

シーティング研修に参加して・・・

こんばんわ。

今日は朝から紅葉を見に行ってきましたが、

カメラのフォルダを見返すと6シーズンくらいの紅葉の写真が貯まっていて、

そういえば過去の写真を見返すことをあまりしていないなと何となく感じました。

 

さて、今回はシーティングに関する研修会に参加させて頂き、

シーティングの分野にもっとセラピストが関わり、

エビデンスを発展させていく必要性について感じることが出来ました。

 

何故、シーティング分野でのエビデンスが必要だと感じたのかを

自分なりに纏めてみたいと思います。

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目次

 

〇シーティングの目的とは

 

車椅子上での姿勢を提供する上で「活動性がある姿勢」を

提供することが重要であると三好先生は述べています。

この「活動性がある姿勢」とは五つの要因をもっています。

➀力学的→力学的に安定していること

➁生理学的→疲労しにくいこと

③作業能率的→作業の効率がいいこと

➃心理学的→適度な緊張とリラックスができること

⑤美学的→バランスや対称性等が整っていること

 

以前の研修では③の点が特に重要であるとされていました。

何故かというと

車椅子上での作業は一つではなく複数存在するからです。

車椅子の自走や食事、整容を行う等生活する上で様々な作業が存在し、

それぞれ違った課題・身体活動を求められます。

 

〇シーティング関連のエビデンス

現在、シーティング・コンサルタント協会がシーティングについての

エビデンス作成に取り組んでいます。

過去のシーティングに関する報告を纏め、エビデンスレベルで

シーティングが身体にどのような影響を与えるのかを検討しています。

酸素飽和度や快適感、車椅子自走、食事時の上肢動作についてです。

 

結果としては現在の報告レベルではシーティングが身体に与える影響は

どの点についても「2C」レベルでした。

これはシーティングの実施を弱く推奨するレベルの結果です。

 

このことからも現状、シーティングに関するエビデンスは乏しく、

今後もさらに掘り下げられていく可能性が高い分野であると考えられます。

 

参考にしたシーティングガイドラインです。

https://seating-consultants.org/wp-content/uploads/2019/04/2019scpublic4.pdf

 

〇タスク別にシーティングを考える

行う作業によって必要な動作は異なります。

ということは

作業によって姿勢は変化し、必要なシーティング方法も変化すると私は考えます。

例えば、車椅子を自走する行為と食事を行う行為とでは全く動作・課題が異なります。

 

その為、今後は目的別にシーティングを行う必要があり、

その目的とする動作に応じたシーティング方法が

検討されていく必要があると感じました。

 

〇まとめ

シーティングはまだまだセラピストの分野で積極的に関わることが少なく、

学校教育も十分ではありません。

その為、必要だとは感じているけどシーティングを行えていない等の

現状が必ずあると思います。

 

思いが先行してしまい、走り書きのようなペースで纏めてしまいましたが、

私自身もっと努力し、この分野の研究に積極的に取り組んでみたいと思いました。