理学療法士の勉強メモ

このブログでは理学療法士として働く私の日々の勉強や疑問、はたまた趣味等を綴っていきたいと思っています

インソールとは?足部にどのようにアプローチする?

こんにちは。

だんだん寒くなってきて、病院のリハビリの際にも屋外歩行に行くか

迷いが生まれる季節になってきました。

1か月前までは迷わず行ってたんですけどね・・・。

 

さて、今回は以前の記事で少しふれました、

インソールの基本的部分について纏めてみたいと思います。

f:id:taniMAX:20191027220523j:plain

 

今回の記事に全く関係ないのですが、

なんとなく綺麗な画像を載せてみてます。(笑)

 

 

 

〇インソールとは

インソールとは靴の中敷きに凹凸をつけ、

人間の土台となる足の肢位や使い方に変化を与えるものです。

足部は人間の体の中で唯一地面に接しており、

靴・インソール・足部の順に反力を受け、

体に効率よく反力を伝達するためには靴・インソールの形状は非常に重要となります。

 

また、足部がどのような問題を抱えているのか

どのように修正を促したいのか

等を判断するための評価については前回の記事を参照。

 

www.tanimax.work

 

〇実際にインソールを入れてみて

私自身右のMst~Tstにかけて股関節内転による崩れがみられています。

また、右側の踵骨回内可動性の低下と片脚立位時に第2・3中足骨が低位

かつ内側アーチの低下があり、母趾での蹴り出しが上手く行えていませんでした。

 

そこでインソールを使用し、外果や第2・3中足骨高を2㎝上げることで

股関節の内転崩れが減少し、母趾側での蹴り出しが可能になったのと

なにより自覚的な右単脚支持での安定感のUPを感じれました。

 

使用したものはポロンソフトシートというものの2㎝を使用しています。

たった2㎝ですが、足部の形状を整えることで

全身に大きな影響を与えることができます。

 

〇インソールどこにはるの?

f:id:taniMAX:20191027214120p:plain

引用:下肢の障害に対する足底版療法

上記の画像は入谷先生の足底版療法に関する文献からの引用画像です。

少し見にくいですが、足部の部位を触診し、骨の境目で区切り分割します。

 

➀第一中足骨底~内側楔状骨頭部

➁内側楔状骨尾部~舟状骨頭部

③舟状骨尾部~載距突起

➃外果直下~第5中足骨底

※第5中足骨底~第5中足骨頭

⑤第2~4中足骨底

私は上記の部分を参考にインソールを使用しています。

まだまだ勉強途中なもので入谷先生の文献のような⑦や⑧番には使用できていません。

また、今回はポロンのみ使用していますがテーピング等を使用し、

アーチを補正する方法もあります。

 

〇練習あるのみ!触診!

私の個人的な意見となりますがインソールをはることはそれほど難しくありません。

インソール使用部位の触診さえできてしまえば、水性のペン等でマーキングし

その長さに合わせ、ポロンを切り取るだけです。

何より重要なのが足部の骨の触診です。(←絶対に大事)

足部にはおよそ28個もの骨があり、正確に触診することは非常に難しいと感じました。

また、インソールは触診がずれてしまい、

骨と骨の間・いわゆる関節部分にインソールがきてしまうと

想定されているような効果を発揮せず、

逆に柔軟な足部の運動を制限し、運動の阻害因子となってしまいます。

 

その為には触診を限られた時間内で正確に行う必要があります。

その為には初心に帰り、解剖学の知識をつけ、ひたすら練習するしかないでしょう。

私自身、勉強中の身である為、同僚や時々、患者様との関わりの中で

正確な触診技術を身に着け、より効果的なインソールの提供を目指したいと思います。

 

〇まとめ

インソールについて基本的な部分を纏めてみました。

何より重要なのは足部の触診と後はインソール使用に至るまでの評価です。

評価の中から足部にどのような問題があり、

上部のユニットはどのような影響を受けているのか

また、インソールを使用する際は足部の問題をどのように解消し、

どのような上部のユニットの問題解決を目指すのか

しっかりと考える必要があります。

それをなくし、ただ足部が崩れているからインソールを使用する。

それでは理学療法プロセスに則れていません。

 

インソールの勉強をすればするほど、評価や観察の重要性に気づけた気がします。

 

 

引用文献

入谷ら,下肢の障害に対する足底板療法,愛知県理学療法学会誌20,102-105,2008