理学療法士の勉強メモ

このブログでは理学療法士として働く私の日々の勉強や疑問、はたまた趣味等を綴っていきたいと思っています

身体活動量とは?再発予防を心がけよう!

こんにちは。

嫁と大喧嘩してしまいしょんぼり&後悔の真っ最中です・・・。

二人の価値観を築き上げていくのは本当に難しい。

私ももっと大人にならねば・・・。

 

さて、今回は身体活動量に関して纏めてみたいと思います。

 

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目次

 

身体活動とは

安静にしている状態よりも

多くのエネルギーを消費する全ての動作

と定義されています。

この身体活動という言葉はWHOが2010年に身体活動に関する勧告を出し、

身体不活動が全世界の死亡者数に対する原因第4位の危険因子として認識されました。

 

〇何故身体活動量が重要なのか?

上記でも述べましたが身体不活動は身体に様々な悪影響を及ぼします。

冠動脈疾患、心血管疾患、脳卒中2型糖尿病罹患リスク・総死亡率に関わります

 

冠動脈疾患や脳卒中において身体活動の促進が再発予防に関わるとされており、

ガイドラインでも訓練量の多くすることが機能回復に関与し、

身体活動量の多い方の方がQOLも高い傾向にあるとされています。

 

〇どのくらい動けばいいの?

 疾患リスクの低下、あるいは再発予防に関わる身体活動量ですが

どのくらい活動を行えばいいのでしょうか?

学会や厚生労働省での推奨例を挙げていきます。

 

日本生活習慣予防学会では

ウォーキングの歩数を「1万歩」「5000歩」とを比較した場合、

「1日1万歩」のウォーキングでは血管内皮機能が改善し、

動脈硬化の予防につながるとの報告を紹介しています。

一方、ウォーキングを5日間休んで、「1日5,000歩」しか歩かないでいると、

血管の状態は明らかに低下するとされています。

 

厚生労働省では

健常者目標値で 男性:9200歩 女性:8300歩

   基準値  男性:8202歩 女性:7282歩

 

高齢者目標値で 男性:6700歩 女性:5900歩

   基準値  男性:5436歩 女性:4604歩

程度の活動量が必要であると記載されています。

 

また、成人では

・週2回以上、1日30分程度

・息の少し切れるくらいの強度

・意識的に階段の使用や歩行速度の増加等に取り組む必要あり

とされており

 

高齢者では年齢や能力に応じて

・ストレッチや体操を1日10分程度

・散歩やウォーキングを1日20分程度

・下肢や体幹のトレーニングを行う

等の運動をいずれか一つ行うことを推奨しています。

 

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理学療法士はどうする?

理学療法士として冠動脈疾患や脳卒中を罹患された方と関わる機会が多くありますが、

果たして歩行ができたから・ADLが改善し、

家に帰れたからOKという訳ではありません。

再発を予防する為に運動環境の提供や運動指導を行う必要があります。

その為に私たちが関われる間にいかに再発を予防する事が出来るだけの運動習慣を

獲得していただくのかを検討していく必要があります。

 

・徐々に軽い運動から行い、運動習慣を徐々につけて頂く。

・入院中に自主トレーニングを導入し、自宅での継続していただく。

等様々な方法があります。

 

しかし、なにより重要なのは患者様達は何故運動が必要なのか?

退院したのはいいけど、疾患の再発リスクについて

正しく理解できているのか?

といった部分が非常に重要であると私は考えています。

その為にはDrやNs、私たち療法士が正しく再発に関する知識を伝え、

何故運動が必要なのかを正しく伝え、理解していただく必要があると感じています。

 

〇まとめ

身体活動に関してはまだまだこれからたくさんのエビデンスが構築され、

今後、高齢化が進む日本社会において

ピックアップされる分野の一つではないかと思います。

その時がこなくとも私達は身体不活動についてのリスクについて正しく認識し、

改善策について提案・指導していく必要があると思います。

予防的な観点での理学療法はまだ十分にピックアップされているとは

言い難い状況下もしれませんが私達自身が必要性について正しく認識し、

より世間に広めていく事で少しでも再び患者様が疾患のリスクに

脅かされる心配を減らしていく事が出来る。

あるいは人々が疾患と関わりなく少しでも長く、

健康に過ごすことが出来るのではないかと考えています。