セオリー無視!衝撃を受けた拒否に対する介入方法!
こんにちは。
理学療法士のたにむーです。
今日は後輩のセラピストが患者様へリハビリを提供しようとした際に
拒否があり、介入できない場面をみました。
リハビリを拒否された場合こちらからリハビリの必要性等
理論的に説明したり、ご家族様から説得して頂いたりいろいろな案を考えますが
なかなか介入に持っていけないことを僕もよく経験しました。
そこで今回、過去の報告で様々な刺激方法を用い、
リハビリテーションを実施することで効果を出したというケースがあったので
いくつか紹介したいと思います。
過去の事例
〇強化刺激に喫煙を使用!!
これには本当にびっくりしました。
セオリー無視というか身体に対する害悪が証明されており、
一般的に医療従事者として禁煙を勧めることはありますが
強化刺激の為に喫煙とは!
簡単にあらすじを・・・
リハビリに対して拒否があり、12日間の間で3日程度しか介入を行えず、
麻痺側の機能低下をきたしているにもかかわらず
起立練習は5回程度・歩行練習に至っては一度も行えていない状態でした。
そして徐々に訓練室への移動も行われなくなったそうです。
背景・・・
入院以前は煙草や飲酒をされており、そんな中脳梗塞に・・・
入院後は喫煙・飲酒・食事に対する不満感が高く、そのような不満をこぼすたびに
医師や看護師、セラピストから注意を受けていたそうです。
介入・・・
欲求に対しての注意からかセラピストを見る・訓練室に行くことが
嫌悪刺激となってしまっている状態と考えられ、
訓練の導入には非常に強い強化刺激が必要であると推察されました。
その為、医師と相談の元一日数本の喫煙をリハビリ後に行えるよう許可を
もらい、リハビリを行う→喫煙ができることを強化刺激としました。
結果、リハビリへの参加がみられるようになり、
徐々に訓練の負荷を上げていく事で身体機能回復がみられたという報告がありました。
感想・・・
喫煙は確かに動脈硬化を促進し、脳卒中の発症リスクに大きく関与してしまいます。
しかし、考えてみると今までずっと煙草を吸い続けてきた人に
いきなり完全に煙草を制限し、リハビリを行うことは自宅に帰る為には必要です。
と伝えたところで数少ない楽しみである娯楽をなくし、
いくらメリットがあるといいつつもしんどい運動のみを提案するだけでは
本当の意味での患者様の意欲を引き出すことは出来ないということを感じました。
だからと言って喫煙を勧めるのを肯定するつもりはありませんが・・・
重要なのでは行動を促すためには行動と関連づく何かしらの
強化刺激(報酬)を提示することが重要だと思います。
強化刺激の種類は人により様々だと思います。
野球が好きだけど入院してからプロ野球を見れていない。
甘いものが好きだけど、入院してから一切に甘いものを食べてない。等等
しっかりと一人一人の趣味・これまでの行動等から何を求めているのか?
しっかりと検討し、
本当の意味での個別的なアプローチが重要だと感じました。
これからの社会の中で理学療法士が生きていく為に必要な考え方の一つだと
感じたので今回紹介させて頂きました。
※何をするにしても慎重な検討は必要だと思いますが。