理学療法士の勉強メモ

このブログでは理学療法士として働く私の日々の勉強や疑問、はたまた趣味等を綴っていきたいと思っています

臨床! 膝関節の手術後に多い膝の痛みに対しての治療

こんばんわ。

依然としてコロナのニュースが多数ですね。

実は私も4月に結婚式を控えていたのですが、

真剣に延期や中止を考えています。次回の打ち合わせで相談予定(´;ω;`)

 

今回ですが、昨日の臨床でたまたま代わりに担当した方で

膝関節術後の疼痛に悩んでいる方がいて、

その時の治療について纏めてみます。

 

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〇痛みの部位 

大腿遠位外側の腸脛靭帯部分と膝蓋骨の内側部に歩行時の疼痛の訴えあり。

 

〇痛みについて

見させていただいた方は歩行時に手術を行った側の膝関節痛の訴えがありました。

 TKAの術後の方でしたが、膝蓋骨は上方・外側へ移動し、

膝蓋靭帯の内側部にわずかな腫脹がみられました。

腫脹部分に圧刺激を加えると疼痛が生じています。

 

大腿外側の筋膜張筋や外側ハムストリングスの緊張は高く、ラセーグ徴候も陽性

足関節はアーチ機能が低下し、偏平足傾向でした。

 

ここで歩行動作を確認すると

T-caneを使用し、

骨盤は外側へスウェイし、股関節は外旋し、距骨下関節では回内がみられました。

間にある膝関節では内反ストレスがかかり、TKAの術後であるにもかかわらず、

術前と同様のストレスにさらされていました。

 

これらのことから大腿外側の疼痛は股関節での前額面上のコントロールが不良であり、

張力での姿勢の保持を行っていたことによるストレス。

これは股関節外転筋の筋力低下や足部のアーチ機能低下により

上手く床反力が受け取れていないことが一つの原因であると考えます。

 

膝関節内側の疼痛は腸脛靭帯や外側ハムストリングスの柔軟性低下や上記の歩行により

膝蓋骨が外側へ偏移することで膝蓋下脂肪体が外側への行き場をなくし、

内側に貯留したことによる疼痛であると推測しました。

 

股関節外旋については歩行時に意識すれば修正可能であるものの

修正により膝関節後面の疼痛が生じてしまうことがあり、

疼痛回避の為の歩容であったとのことです。

確認すると後面筋の硬さがみられました。

 

〇アプローチ

まず、床反力を上手く受け取る為に足部にインソールを装着し、土台を整えます。

 

次に大腿筋膜張筋や外側ハムストリングスのリラクゼーション・伸長を図ります。

外側ハムストリングスの短縮は腸脛靭帯を

側方から後方へ偏移させてしまうこともある為、しっかりと緊張をとります。

 

次に膝蓋骨のモビライゼーションを行いつつ、下方・内側方向へ持ってきつつ、

内側の脂肪体を膝関節の奥へ押しやるようにモビライゼーションを行います。

 

膝蓋骨の位置や脂肪体の腫脹が軽減してきたら、一度歩行を行います。

すると大腿外側や膝蓋骨内側の疼痛の消失はみられますが、

依然として股関節外旋の修正を行うと膝関節後面の疼痛がある状態でした。

 

ここで後面筋の硬さの硬さに再度注目します。

この後面筋であるハムストリングス腓腹筋は筋膜連結によりつながっており、

この連結部に問題があると疼痛をきたすことがある為、これらをリリースします。

 

すると膝関節後面の疼痛の消失がみられました。

 

しかし、歩行距離の延長では股関節での制御が困難であり、

再び骨盤のスウェイ出現がみられた為、

今後、殿筋への筋力強化も行う必要があります。

 

〇まとめ

今回は事前にある程度、情報を頂いていたことや

たまたま「ここだ!」と思った点が当たり、上手くいきました。

しかし、まだまだ言語化できていない部分もあり、

改めて纏めてみるとまだまだ勉強不足だなと感じさせられました。

 

今後、更に勉強して、もっと効果的な臨床を行えるよう精進します。

 

一応、以前の記事もご参考に・・・

 

www.tanimax.work

 

 

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