理学療法士の勉強メモ

このブログでは理学療法士として働く私の日々の勉強や疑問、はたまた趣味等を綴っていきたいと思っています

脳卒中短下肢装具の考え方!まずはこう考えます

こんにちは。

いやー、イングランドリーグのサッカーを普段から観戦していますが

リバプール強いですね!

このまま年末まで失速せずに悲願のリーグ優勝を成し遂げてほしいです!

 

では、今回は脳卒中患者に対する短下肢装具の処方について

参考にしている文献などから基本的な部分を紹介したいと思います。

 

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〇短下肢装具の利点とは?

➀足関節の運動軸を正常に近づけることができる

➁足関節内外反の矯正ができる

③底背屈方向での角度調節により可動範囲の制限ができる

➃底背屈方向での補助ユニットにより可動範囲の制動ができる

 

特にセラピストが意識し、確認する点は③、➃の点だと思います。

この足関節の角度調整により片麻痺患者様のおのおのの状態にあった

装具を提供する事が出来ます。

 

〇装具・どのように処方する?

歩行能力低                 歩行能力高 

 足関節固定

      底屈制限+背屈制限

           底屈制限+背屈フリー

                底屈制動+背屈フリー

引用:山本澄子,動作分析にもとづく片麻痺者用短下肢装具の開発,

   理学療法科学,18巻(2003)3号

私は装具を検討するときに基本的な部分ですが、

山本先生の上記の図を参考に装具を検討しています。

足関節固定ではその名の通り完全に固定された装具

底屈制限・背屈制限ではシューホーンやダブルクレンザック・wing form等

底屈制限・背屈フリーではゲイトソリューション(以下:GS)の金属支柱タイプやPDC

底屈制動・背屈フリーではGSデザインタイプの物

等多々存在しています。

 

基本的にはまずは制動モーメントを高く設定し、歩容のクリアができれば、

制動モーメントを下げていき、再度歩行評価を実施していきます。

 

重要なのは片麻痺患者様の歩行のどの部分に問題があり、

どのような手法で改善を図るのか常に考えることが重要です。

 

例えば麻痺側での背屈筋が効かず、踵接地が困難な場合のみであれば、

それ程制動力の強い装具は必要なく、オルトップ等の処方を行います。

 

しかし、長下肢装具から短下肢装具への切り替え直後等で

バックニー等が生じる場合は制動力を上げるべきであり、

ダブルクレンザックやwing form等で可動範囲を調整し、バックニーの抑制を図ります。

 

〇まとめ

装具には多種多様なタイプがあり、既存のタイプ以外に

患者様に合わせた装具をオーダーメイドで作成するという手段も存在します。

経験を積んでいけばある程度、適切な装具の処方が

スムーズにできるのかもしれませんが経験値が不足している場合、

やはり難易度別に装具を分け、

いくつか実際に装着し仮説検証する必要があると思います。

 

私も装具の検討は非常に苦手でこれから力を入れ、伸ばしていかないといけない

ポイントであると自覚しています。

少しずつ装具処方のデータを積み重ね、より患者様へ適切な装具が提供できるよう

修行に励みたいと思います。