理学療法士の勉強メモ

このブログでは理学療法士として働く私の日々の勉強や疑問、はたまた趣味等を綴っていきたいと思っています

変形性膝関節症の基礎!基本的な運動療法とは?

こんにちは。

今日はラグビーWカップ南アフリカ戦ですね。

試合を横目で見ながら、記事を書いております。(笑)

私自身はサッカーしかしておらず、ラグビーのルール等はからっきしなのですが

キックやタックル・ラン等のスーパープレイは思わず叫んでしまうほど

アツくなって見てしまいます。

 

さて、本日は特に肥満体系の方や女性に多く見られる変形性膝関節症について

纏めてみたいと思います。

 

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〇変形性膝関節症とは?

一次性二次性に分けられ、明らかな原因がなく、

加齢や慢性的なストレスがかかり生じるものが一次性

炎症や代謝性疾患に伴い生じるものが二次性といわれています。

頻度としては一次性のものが多く、

一次性の膝関節症は50~60代の女性に多く見られます。

明らかな原因なしに発症し、初期症状として

歩き始めや立ち上がり時に疼痛を生じますが徐々に消失します。

症状が進行すると疼痛により歩行距離の減少炎症による腫脹

関節液の貯留や大腿四頭筋の萎縮関節可動域制限等をきたします。

 

 

〇何故、痛みが生じる?

変形性膝関節症では上記のKL分類進行後に裂隙の狭小化や骨棘形成が行われ、

変化した関節構造体へストレスが加わることで

血管内皮細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、腱細胞等から

COX-IIやIL-1betaなどの炎症性サイトカインが産生されることが

疼痛の一つの原因であると考えられています。

(引用:変形性膝関節症に対する運動療法の効果の機序)

 

また、筋力低下は下肢の不使用→筋力低下→疼痛出現という流れで

筋力低下が疼痛に関与しているとの考えが主流でしたが、

昨今では疼痛出現→下肢の不使用→筋力低下という

疼痛が出現した結果、筋力低下が生じてしまうとの考え方も出てきています。

 

〇いざ、運動療法へ!

では痛みに対してどのような運動療法を行うのが良いのでしょうか?

 

大腿四頭筋の筋力訓練

やはりこれが一つ大きな要因として上がります。

上記の疼痛の部分で疼痛出現の結果、筋力低下が生じる可能性があると記載し、

また、大腿四頭筋の筋力強化は膝関節の内反ベクトルを弱める作用はないとのことが

報告されつつあります。

しかし、変形性膝関節症のストレスにより放出された炎症性サイトカインは

筋力訓練により筋から放出されるマイオカインというサイトカインの持つ

抗炎症作用により減少し、除痛に関与することが

報告されています。

また、それ以外にも筋力低下をきたした結果、立ち上がり等の動作へ

悪影響を与えている可能性もある為、

しっかりと筋力訓練を行うことは非常に重要であるといえます。

 

Ⅱ殿筋群の筋力訓練

大殿筋や中殿筋等の股関節伸展・外転に関わる筋肉のトレーニングにより

立位姿勢時の変形性膝関節症患者の膝関節伸展可動域が変化したとの報告があります。

また、股関節周囲の筋力向上により骨盤制御能力が向上することで

膝関節にかかるカニカルストレスの軽減が可能であるとされています。

さらに内反型変形を呈した変形性膝関節症の方では

膝関節のストレスを軽減させる為、

デュシャンヌ様歩行(支持側の下肢に体を傾ける歩行方法)を呈することがあり

このような歩行は股関節外転筋の不使用により筋力低下を招きます。

このように股関節周囲の筋力を強化することも非常に重要です。

 

Ⅲ膝関節の可動域確保

初期の変形性膝関節症患者では膝伸展可動域が減少するとされています。

これが進行により徐々に可動域制限が大きくなり、

膝関節屈曲位での歩行膝関節へのメカニカルストレスを増大させます。

ストレスが増大すると関節の変形は助長されます。

その為、膝の伸展制限となりうる膝蓋骨の可動性やハムストリングスや膝窩筋、

膝蓋下脂肪体等へのアプローチは重要であると言えます。

また、膝関節以外にも

腰椎の後弯は運動連鎖により膝関節を屈曲させます。

この腰椎や膝関節は加齢により可動域制限を起こしやすい関節を言われている為、

しっかりと可動域を維持しましょう。

 

〇まとめ

まだまだ変形性膝関節症についての勉強は足りていませんが

基本部分はこの辺りかと思います。

関節が一つ変形すると運動連鎖により全身へ影響を及ぼす為、

変形性膝関節症の患者様へ治療する際は全身を評価する必要がある為、

上記の運動療法等はほんの一部です。

変形性膝関節症について簡単に纏めましたが

まだまだ奥が深く、膝関節はへのアプローチは多岐にわたります。

また、時間がある時に膝関節からの運動連鎖や

更に具体的なアプローチについて纏めてみたいと思います。

 

 

治療にはここで差がつく・新人必見の応用分析行動学!応用行動分析学ってなに?

こんにちは。

今日はダブルワーク先のデイサービスで勤務している最中、

洗濯物を二人で畳んでいる高齢者夫婦の仲睦まじい姿を見て、ほっこりしました。

私も現在、新婚ですが年をとっても

いつまでも仲良い夫婦でありたいなと心底思いました。

 

さて、今回は徐々に知名度が広がってい応用行動分析学について

勉強してみたことを纏めてみたいと思います。

 

 

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応用行動分析学って何?

応用行動分析学とは環境と個人の相互作用として問題を捉える。

介入の方法としては、「環境を整える」という環境に働きかける方法と、

「適切な行動を学習する」「行動のバリエーションを増やす」という

個人に働きかける方法があります。

 

リハビリ場面においては動作障害の原因を認知機能や身体機能の問題だけでなく、

知識の問題技術の問題動機づけの問題から分析していきます。

進行性の病態であれば認知機能や身体機能の改善を図ることは難しいですが

知識や技術は学習によって習得させることができるとされています。

(引用:認知症に対する応用行動分析学的介入)

 

これはどういうことか。

3つの問題についてそれぞれ説明していきます。

 

応用行動分析学三つの視点

知識の問題とは

行動の手順が記憶できていないことによって生じる問題です。

記銘力が低下する認知症や重度脳卒中の患者様では、

学習していた意味記憶エピソード記憶が徐々に消失により

頻度の高い日常生活動作障害をきたします

移乗動作やトイレ動作など複雑な行動から形成される動作では、

この問題が生じやすいとされています。

知識の問題では、知識を提示することで動作障害が即時的に改善することがあります。

技術の問題とは

身体機能に問題がなく、知識があるにもかかわらず動作ができない場合は

技術の問題であるといえます。

例を挙げると椅子からの立ち上がりは単純な動作のように見えますが

幼い時には繰り返し失敗しながら習得した動作です。

片麻痺の方などが行う立ち上がり動作は健常者とは異なる技能が必要となります。

そのような場合は再び安定した支持基底面内に重心を

投射する技術を学ぶ必要があります。

 

動機づけの問題とは

 動作を行うにあたり大半の方は何故その動作が必要なのか理解できています。

しかし、認知症高次脳機能障害を合併した脳卒中の方は

その動作がなぜ必要なのか・あるいは動作ができないことを理解できないかもしれない

また、どのような感覚で動作を行ったのかを記憶することも困難です。

そのような状態で動作を行っても失敗する可能性は高いです。

また、その際に注意や𠮟責を受ける可能性もあり、

これは対象者にとって嫌悪刺激となり、動作練習を弱化させます。

また、介助者に対しても条件的な嫌悪刺激が定着し、

こうなると動作練習や介助に対しての拒否が生じていきます。

注意や叱責はイライラや緊張、不安等の感情を募らせ、

それらの情動反応は記憶に残りやすいです。

 

応用行動分析学の用語

プロンプト

手がかり刺激のことを指します。

対象者に与える刺激は口頭指示のみでなく、指差しやタッピング、

身体的教示、身体的ガイド等があります。

 

プロンプトフェイディング

適切なプロンプトを与え、徐々にプロンプトを減らしていく方法です。

 

シェイビング

エラーのない学習を促していく際に生じた不適切な行動は無視し、

適切な行動を誘導し、それに強化刺激を与えていく技法です。

 

認知症の方等への介入では指示従事行動が得られなくなる危険性が高く、

練習に伴う失敗や注意・叱責がその原因となるため、

成功や上達が体感できるエラーのない学習が介入の基本となり、

シェイビングが重要となります。

 

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実際の介入事例

認知症脳梗塞を罹患された方に対し、杖歩行を視覚的プロンプトを示した事例

認知症脳梗塞を患い、筋力等の身体機能は十分有しているにも関わらず

杖歩行の手順がバラバラな方に対して

ジェスチャー・口頭指示期

②視覚的プロンプト期

③消去期

のようにプロンプトの提示方法によって分類分けを行った。

➀では歩行訓練前に介助者がジェスチャーと口頭での動作手順の説明を行い、

動作中のエラーについては毎回、ジェスチャー・口頭指示で注意を促した。

②では動作手順を確認できるようにA4用紙記載し、確認していただく。

歩行中にはA4用紙が見えるように提示しながら動作を実施した。

③では視覚的プロンプトを消去し、動作の手順に誤りがないときは賞賛を与えた。

上記のような手順により対象者は杖歩行獲得に至った。

(引用:杖歩行練習に対する視覚的プロンプトの有効性)

 

高次脳機能障害を合併した脳梗塞の方に対する座位練習を行った事例

プッシャー症候群、半側空間無視、注意障害、運動麻痺等を

呈した重度脳卒中の方に対してターゲットを60秒間の座位保持とし、

聴覚・体性感覚のプロンプトを提示し、その後プロンプトフェイディングを実施した。

➀足底を接地させた座位練習中に非麻痺側の手掌を置く場所を手形等で示し、

60秒の秒数カウントを1秒ごとに後方から介助者が示し、練習を実施した。

座位保持が成功した際には賞賛を介助者・家族とともに行った。

 

60秒の座位保持が可能になった時点で

②手形のプロンプトを除去し、同一課題での練習

③秒数カウントを1秒ごとから10秒ごとのカウントにしての練習

➃カウントをなくし、時計のみを見える場所に提示し練習

⑤全てのプロンプトをなくした状態での練習にて座位自立に至った。

(引用:応用行動分析的技法を使用した座位訓練の効果 )

 

まとめ

如何に効率よく運動学習を進めていくかという感じでしょうか。

おそらく紹介した応用行動分析学とは経験を積んだセラピストであれば

誰しも無自覚の内に実践していることではないかと思います。

 

しかし、無自覚に行っているものを一つの明確な方法に落とし込み、

再現性を持たせるようにされているこの方法は素晴らしいと思います。

実際、私自身無意識の内に実践している方法はありましたが、

ここまで深く考え、明確に手順等を意識していた訳では無いので

どうしても再現性に乏しい部分もありました。

意識してこの方法を普段から実践できると臨床の中で

より結果を出すことができるのではないでしょうか?

 

新人のセラピストの方等是非参考に実践してみてください。

 

引用文献

中山ら,応用行動分析的技法を使用した座位訓練の効果,高知リハビリテーション学院紀要,11巻,2010

河野ら,応用行動分析学的介入により座位保持時間延長がみられた一症例,第42回日本理学療法学術大会抄録 Vol.34

 

動作観察の修行方法! 動作観察への苦手意識から抜け出すには

こんばんは。

深夜のブログ更新にもだんだんと慣れてきました。今日この頃です。

昼間は働き、自宅に帰ってからは兼ねてから奥さんと約束をしていた

自宅内でのDIYに取り組み、部屋の模様替えをしていました。

その後、いろいろありまして、ようやく自分の時間を持つことが出来ました。(泣)

 

さあて、今回は新人セラピストの方が困るであろう動作観察についてです。

 

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私も新人の頃は動作観察が苦手でよく先輩に

全然、動作がみれていないとのご指摘を頂いていました。

 

歩行の動作観察が上手くなりたいと思い、書籍を片っ端から読んでみますが

どうしても臨床現場の一瞬の歩行がとらえられず、

このままではいけないと思い、いくつか練習方法を考え、実践してみました。

 

動作観察を行う!その前に・・・

 

〇動作の相分けを把握しておこう

今回は歩行に焦点を当て、動作観察の練習方法を記載しますが、

どんな動作であっても動作を分解し、相分けして観察することが重要です。

歩行動作であれば、近年メジャーなランチョ・ロス・アミーゴ方式の分類

起立や着座、階段昇降、普段臨床では見ることのあまりない跳躍動作等

基本的な動作は既に相分けがなされています。

動作を各相に分け、それぞれの相の特徴を把握しておくことが重要です。

 

〇観察する向きを考えよう

基本的に動作観察は矢状面・前額面から行います。

関節は矢状面・前額面・水平面で動くので(水平面は観察できませんが)

矢状面での観察からは関節の屈曲や伸展が

前額面からの観察では関節の外転や内転が観察する事が出来ます。

また、水平面に関しては矢状面からのつま先の向きや

前額面からの屈曲・伸展の程度、骨盤の後方回旋等から推察する事が出来ます。

 

〇動作の各相においてどの筋が大きく働くのか把握しよう

これは動作観察というより分析の観点が強いかもしれませんが

各相のタイミングで各関節ではどの筋肉が最も働くのか

が把握できていると観察の際に事前に要点を絞る事ができ、

スムーズに観察を行うことができます。

(例:MMTや粗大運動等で股関節の伸展が弱いとの評価があれば、

 正常動作において股関節伸展が最も作用するタイミングでの

 動作の問題が生じる可能性が高いと推察できます。)

 

ここで閑話休題

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おすすめの動作分析を学ぶための書籍

➀観察による歩行分析

有名な書籍の一つ。

ご存じの方も多いかと思います。

それでもこれをお勧めするのは下肢の各関節歩行周期に応じた

筋電図が記載されているからです。

歩行の基本動作と筋電図を比較して見れるからこの動きの時に

どの部分が働く等イメージしやすいです。

②動作分析臨床活用講座ーバイオメカニクスに基づく臨床推論の実践

 こちらも言わずと知れた有名書籍の一つ。

石井慎一郎先生の動作分析臨床活用講座。

歩行だけでなく、起居や起立まで基本動作を各相に分け、

それぞれの動作特徴・要点について纏められています。

実習等の際にはこれがあれば十分戦えるレベルです。

 

 

歩行の動作観察練習法

〇患者様の歩行動作の動画を撮る

これは最も基本的な方法だと思います。

動画を撮ることで何度も動作を観察でき、より時間をかけて

患者様の動作観察・分析に集中できます。

慣れない最初はこのような練習方法から始めるのが良いかもしれません。

 

しかし、この方法では一人の患者様の動作を掴めても

他のたくさんの方々の動作へ還元することが難しいです。

また、一人の動作を繰り返して見すぎてしまうと

極端に細かい部分まで観察できてしまう為、

その後の問題点の解釈がどんどん最大のポイントからズレていってしまう等

迷走してしまうことも少なくありません。

 

〇街中で歩行中の方を観察する

私をこれをよく実践していました。

障害を抱えていない一般の方でも正常歩行通りの動作を行う方はほぼいません。

皆さん、何かしらの特徴を持っています。

通勤の際の駅やデパートあらゆるところで動作観察の練習を行う機会はあり、

お金も時間もかかりません。

しかし、疾患を抱えている方と違い全体を観察する必要がある為、

慣れるまで難易度は高いと思いますが一度練習してみる価値はあると思います。

 

よくよく見ると多い歩き方が

・トレンデレンブルグ・デュシャンヌ徴候での歩行

 これは言わずと知れた股関節・体幹に問題を抱えている方が陥りやすいです。

 

・前遊脚期での内側・外側ホイップ

 これもよくよく見るとたくさんいます。

 足関節の背屈制限足底アーチの問題で上手く母趾側へ荷重が抜けない

 股関節伸展域での内旋が作れない方等に多い印象があります。

 

・上肢の振り・骨盤の回旋の左右差

 よく見るとこの辺りにも左右差があることが多いです。

 肩甲骨・体幹周囲の問題や単純に肩に荷物をかけている・股関節の可動域制限等。

 

・立位姿勢の崩れ

 これは動作ではありませんが、歩行を観察する上で

 重要な立位姿勢も左右差が生じていることが多いです。

 両側の肩甲骨の位置体幹の側屈股関節内外転角度足部の向き

 見ることでどのような歩行を行うのか仮説をたてることができます。

 

まとめ

 動作分析は本当に難しいです。

しかし、セラピストの資格を持ち、多職種に対して長所となるのが

この動作観察であると私は思います。

コツコツ練習して、迅速な動作分析を行える目を養っていきましょう。

 

また、一般の方の歩行を観察しつつ、機能障害を推測し、評価・アプローチ等

を考えることで臨床推論のトレーニングにもなります。

今でも私は時間のある時や今まで自分にないような視点を得られたときは

街中で動作観察を行い、自身の目をトレーニングするよう心がけています。

皆さん、共に頑張りましょう!

学会発表には重要!学会発表から得られるたくさんのメリットについて

こんにちは。

理学療法士として経験を重ねていくと一度は考えたことがあるかもしてません。

 

学会発表について!

 

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考えるシチュエーションは人それぞれかもしてません。

・上司に勧められる、あるいはオーダーがあったり

・学校時代の同期の活動を見て刺激を受けた時であったり

・元々、学術活動に興味があったり etc・・・

 

結論から言うと私はチャンスがあれば、どんどん学会に出席し

症例発表や研究発表を行っていくべきであると考えています。

 

その理由は何故か?

 

 

 

 

医療職として働く際の三本柱

日々、求められていくものがたくさんある中で私はその中でも

重要な3本の柱があると思っています。

それは臨床・教育・研究です。

臨床・教育については理学療法士として経験を積むと誰もが経験し、

重きを置く点だと思いますが、研究についてはどうでしょうか?

意識的に取り組もうとされる方は限られている印象がありますが

理学療法士の職業倫理ではセラピストの研究への参加を推奨しています。

また、根拠に基づいた治療を展開する上で臨床の最前線で働くセラピストの

研究活動は非常に重要で日々の臨床研究によって確立されていない

エビデンスを開拓していく事が出来ると思います。

でもこれは建前です。。。

 

私の考える個人的なメリット

 

職務経歴書への記載

これは現状、過剰供給となりつつある理学療法士にとって

他のセラピストとの差別化は非常に重要な観点であると思います。

日々、どれだけ優れた臨床を行い、ノルマの単位をとっていても

私たちの市場での価値は上がりません。

職務経歴書に臨床・単位取得を頑張りました。と書くわけにはいきまあせん。

しかし、学会活動の実績を持っていれば、職務経歴書に記載し、

自身がどのようなことに取り組んだのか明確な実績となります。

 

所属組織での地位確立

研究の結果が所属している施設・病院にとって必要性の高い分野であれば、

新たな役割への任命、昇進等への材料になりますし、

周囲の方々に勉強熱心だという印象付けにもなります。

ちなみに以前の私の職場では研究に取り組むセラピストが

私だけだったので非常にちやほやされた記憶があります・・・ 

 

膨大な量の経験値

上記のように所属施設のニーズに合致していない場合であっても研究を行うことで

自身の中に膨大な経験値が追加されます。

研究は臨床思考と通ずる部分もあり、仮説検証に求められる知識量が

臨床よりさらに膨大な為、研究を終えた後には臨床思考に変化が生じている筈です。

 

私の考える個人的な デメリット

 

膨大な時間を要する

一つの研究を行うのに膨大な時間を要します。

私は過去に症例報告含め、学会での演題発表を4回実施していますが

そのどれも膨大な時間を要しました。

先行研究は英語論文含め、15本以上調べ、参考にすることがありますし

慣れない英語論文を訳し、引用するのは大変でした。

 

給与が上がるわけではない

学会発表を行うことで職場内で一定の評価を得ることができますが、

当然ながら、研究にかけた膨大な時間が給与に反映されるわけではありません。

 

向き・不向きがある

研究活動はやれば必ず結果に繋がるというものではありません。

数学や物理のように答えがあるわけではなく、

長い時間をかけても求めている結果が得られないこともあります。

一度挑戦してみて向いていないと思った際には無理はしなくてもよいと思います。

 

まとめ

研究を行うことで自身の経歴や職場での立ち位置・臨床思考において

良い影響を与えることができると思いますが、

反面時間を要したり、結果が得られないこともあります。

しかし、一度研究を行った経験から考えると

是非、一度チャレンジしてみるのがよいと思います。

向き・不向きはそのあとに考えれば良いですし、

それだけお金に換算できない価値があり、

研究を終えた後に自身の臨床思考に変化が現れると思います。

 

何はともあれ機会のある方がいらっしゃいましたら

是非、一度身を投じてみてください。

 

※私は職場にとって需要のある研究内容であれば、

一定の評価を得ることができ、その後の給与UPにつながる可能性は

大いにあると考えています。

もし、給与のUP等を狙う意思があれば、今職場はどんなことに困っているのか。

どのような分野での実績が欲しいのか等考えてみると研究分野が見えてくるかも。

寝不足は筋力向上に悪影響? 寝不足が筋力向上に及ぼす影響とは・・・

こんにちは。

今日は今後の寒さに備えて、ダウンジャケットを探し回ってみましたが、最も衝撃を受けたのが2019年版のユニクロ・シームレスダウンです。

正直言って甘く見ていました。高級ダウンを試着した後にみてみたのですが、

着心地・デザイン共に非常に満足!

価格は14900円ですがコスパがズバぬけてよいのではないでしょうか?

しかし、購入については待ちの一手。ユニクロ感謝祭や12月のセールを待ちます・・・

(↑我ながらせこい・・・)

 

ではでは、本題ですが今回は睡眠と筋力の関係について纏めてみたいと思います。

筋力は前回の基本編に引き続きですね。どちらかというとお若い方向けかも。

 

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目次

 

睡眠の重要性について

睡眠は重要です。もちろんそんなことは言われなくてもわかります。

睡眠は全体的に健康を保つために非常に重要な要素ですが、

睡眠サイクルが崩れることで反応時間、正確性、活力、持久力、

更には認知機能や判断能力、意思決定にまで影響を与えます。

睡眠を保つということは健康を保つだけでなく、

運動のパフォーマンスを発揮する上で非常に重要な要素であるといえます。

 

 

睡眠と筋力の関係とは

ではここで一つの研究を紹介したいと思います。

Yangらはマウス達をコントロール群、運動群、睡眠不足群、および運動+睡眠不足群の4つのグループに分け、運動群・運動+睡眠不足群には高強度の水泳を行わせ、睡眠不足群・運動+睡眠不足群には72時間の睡眠不足操作を実施し、それぞれに運動課題・認知課題を提供しました。

結果として運動+睡眠不足群では運動機能低下と認知課題の

処理能力低下がみられました。ここまでは当たり前だと思います。

ここでさらに一つ興味深かったものが運動+睡眠不足群は筋損傷の程度が運動の未実施した群より大きかったのです。

このことから睡眠不足はタンパク質合成を低下させ、筋肉の損傷を回復する能力を低下させ、

高強度の運動の有害な影響を悪化させると結論づけられています。

 

まとめ

はい。以前の記事で筋力向上の大原則の内に超回復の原則がありました。

睡眠不足は筋肉の回復を阻害し、

筋力強化の有害な事象となりえる可能性が示唆されています。

今回はラットの研究となっており、完全に私たちに当てはまるかの証明はこれから・もしくは既になされているかもしれませんが少なくとも睡眠不足は筋力向上において大きな悪影響を及ぼす可能性があると言えます。

 

以上。文献を漁っていて気になるものがありましたので簡単に紹介させて頂きました

 

引用文献

Yang DF,Sleep deprivation reduces the recovery of muscle injury induced by high-intensity exercise in a mouse model,Life Sci,2019Oct 15;235

 

 

ps:実は今回は目次を作成する練習を兼ねて、ブログの入力を行いました。

内容量に見合わないことになっていますがご容赦下さい。

運動療法の柱・筋力訓練!さて、どんなルールがあったっけ?

こんにちは。

ブログを始めたてで気になってしまい調子に乗って更新しています。

このテンションがいつまで続くのか・それとも持続していくのか、どうなるのやら・・・

 

さてさて、本日は私たちが提供する運動療法の中でも大きな柱の一つとなる筋力訓練について纏めてみたいと思います。

 

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↑こんな体、非常に憧れてしまいます。(実際の私はひょろひょろですが・・・)

 

 

筋力向上の要因とは

  1. 筋断面積の増大:筋の断面積は筋線維数×筋線維断面積で求められます。ここでいう断面積とは解剖学的断面積・生理学的断面積の2種類がありますが、羽状筋の形状等を考慮した生理学的断面積の方が筋のピークトルクと高い相関があったと報告されています。過去にはトレーニングにより筋線維数は増殖し、高負荷なトレーニング程、増殖が生じやすいと述べているものもあります。(しかし、昨今ではこれを支持しない報告もあります。また、これについては後の記事で述べようかと思います。)
  2. 神経系の賦活:筋肉が収縮するときに参加する運動単位数が増加すると筋の面積に変化がなくても筋力は向上します。これは大声を出しながらの筋発揮の際に出力が上がったり、大きな大会等で普段では出せない力を発揮できてしまうことがあると思います。これらは神経系の興奮が高まった状態の為、筋収縮に参加する運動単位数が増加するとも考えられています。

 

上記は基礎的な知識ですが、筋力向上を考えるうえで非常に重要な点であると思います

また、運動神経に電気刺激を加え、最大の筋収縮を発揮すると筋の収縮力が30%も増加したとの報告があります。(30%でかなりですよね!)

 

次に筋力トレーニングの原則について

 

 

➀過負荷の原則:少し疲れるくらいの負荷をかけ、筋肉をある程度以上強く使用しなければいけない。ちなみに日常生活で使用される筋力は20~30%程度とされており、低くても30%以上の負荷は必要となる。

 

②継続性の原則:筋の発達は一定の段階に沿って行われる。初期は筋収縮に参加する運動単位数の増加により絶対筋力が向上する時期、次いで筋の量的増加を起こす筋肥大期がくるとされ、徐々に継続的に訓練を行う必要がある。

 

③意識性の原則:膝伸展の際に大腿四頭筋を意識すると左大脳半球皮質にある運動野の神経細胞に興奮がおこり、錐体路を下行し、脊髄前角細胞に到達する。前角細胞からの興奮は筋へ伝わり、筋収縮を起こす。このように筋収縮には中枢神経系からの影響があり、筋収縮の部位やタイミングを意識することで訓練の効果が高まるとされている。

 

➃個別性の原則:どの部分を訓練するか明確にすることで短時間での訓練効果を向上させることができる。

 

⑤特異性の原則:筋肉の能力は同等の運動特性を用いた訓練によって効果的に高められる。

(例:跳躍動作には膝伸展筋力が相関するとされているが、訓練としてⅠ跳躍訓練ⅡスクワットⅢバーベル持ち上げ等筋の収縮特性を変化させた。結果として➀の目的としている動作と収縮形態・収縮速度が同様の訓練の効果が最も高かった)

 

超回復の原則:筋の強化とは現在の筋を破壊し、それを修復させて元以上の状態 を築き上げるともいえる。強化は訓練中ではなく、訓練後に行われるものである。超回復をふまえると、筋力訓練の最もいい環境は、食事前に訓練を行い、エネルギー要求が高 まっている時に高タンパクの食事を摂取し、その後3時間以上睡眠のとれる環境とされている。

 

等が報告されている。個人的に特に重要なのは➀と⑤の原則であると思います。

特に⑤の特異性の原則の中で上げている例については個人的に意外なものでⅠ~Ⅲの中で跳躍訓練以上にⅡ、Ⅲの訓練の方が筋力への負荷は大きいものでしたが、収縮特性や速度の違いによって効果に大きく差が出てしまうという結果が示されていました。

 

全て教科書的な基本的部分ですが、普段から私は全てを意識して提供出来ている訳ではありません。また、自身のトレーニングの際にも意識できていない点はたくさんあります。

限られた時間の中でより大きな効果を出していく為には一つ一つ再度意識をしてトレーニングに取り組んでいく必要があると再認識致しました。

 

参考資料

1)幸田利敬:筋力トレーニングについて.運動生理.9.p131~138.1994

2)市橋則明:筋を科学する─筋の基礎知識とトレーニング─.理学療法学.第41巻第4号.p217~221.2014

車椅子で「座るということ」

こんにちは。

理学療法士として施設・病院で業務にあたる方々が多いと思いますが、今回は車椅子について気になることがあったのでまとめてみようと思います。

 

始めに車椅子を使用している方々に対し、

     シーティングの提供していますか?

 

何故、こんな疑問を抱いたかというと少し過去のものになりますが、

2017年厚生労働省による診療報酬改定による疑義解釈資料が公表され、

姿勢保持や褥瘡予防のためにクッションなどの選定や調整を行うシーティングを

実施した場合、診療報酬に組み込んでよいという見解が示されました。

 

最近まで私はそんなこと気にもかけずに臨床にあたっていましたが、この一文を見たのちに改めて車椅子を利用されている方々の座る姿勢について着目してみました。

 

観察してみるとやはり

骨盤後傾、頸部屈曲し過ごしている方

座っているとお尻を前へ出してずり落ちてくる方 etc・・・

沢山の方々がいらっしゃいました。

このような姿勢で長い時間を過ごすと

腰痛・変形・褥瘡・嚥下機能障害・心血管,腎臓,呼吸等に重大な身体的悪影響

等などを引き起こす可能性があります。

 

また、車椅子に関する書籍や文献の中で

〇施設・病院で多く使用されている座奥×奥行が約40×40㎝規格の車椅子は

 高齢者の身体寸法に合致していない1)

〇標準型車椅子の40×40㎝シートは身長175㎝程度に適合するとの見解がある2)

と報告しています。

 

車椅子利用者で身長175㎝以上の高齢者・・・

たくさんいますかね?多くの方は身長175㎝以下であり、報告されている規格に適合していません。

また、この適合のズレはご自身で座りなおせる方には大きな問題に至らないかもしれませんが、ご自身でしっかりと座れない方

具体的にはシーティング・コンサルト協会が奨励するHoffer分類Ⅱ~Ⅲの方々にとっては致命的となります。

 

※Hoffer分類とは

Ⅰ:上肢の支持なしで30秒以上座ってられる方

Ⅱ:上肢の支持があれば30秒以上座ってられる方

Ⅲ:上肢の支持がないと座ってられない方

 

ではどうすればいいのか?

車椅子の規格を調整できるモジュールタイプ?骨盤サポートクッションの購入?

対策はたくさんありますが、どれも施設や病院で導入するにはコスト問題があります。

 

一つ私が参考にしている方法を紹介したいと思います。

余っているウレタンマットやクッションを利用し、

       座底長-座面の奥行=4~5㎝に設定する方法です。

適切な座面の奥行きは座底長から4~5㎝減じて設定する3)とされており、

座っている際の臀部後縁から膝裏までの長さを座底長として測定し、上記の引き算にかけて設定します。

 

少し手間ですが、この方法で座り心地や姿勢の変化が報告されています。

また、ウレタンマットやクッションは比較的安価でコーナンなどに販売しており、大きなコストはかからないものです。

 

実際に行ってみると確かに姿勢が変化し、食事の際の姿勢が変わったり、以前のものより快適であるという声が聴けました。

 

でも他にも車椅子で調整すべきポイントはたくさんありますのであくまで一つの簡易方法ではあります。

 

 

そして長くなりましたが、このような疑義解釈が発表されているということはそれだけ車椅子を不適切な状態で使用されている方々がたくさんいて、黙認されているといった現状があるからだと思います。

 

リハビリに携わる方々は一度車椅子の確認をしてみるのもいいかもしれません。

又、車椅子を使用していて困っている方は一度参考にお試しください。

 

1))廣瀬秀行,木之瀬隆:高齢者のシーティング.三輪書店,2006.p63

2)木之瀬隆:老健介護保険福祉用具レンタルの課題.第2回福祉技術シンポジウム公演要旨集.2000.p62

3)君塚葵:車椅子・整形外科学会.義肢装具のチェックポイント.医学書院.2003.p287

【自己紹介】

初めてのブログを投稿したのはいいのですが、肝心の自己紹介が抜けてしまっていました!

 

私は26歳、理学療法士を本業としております。

さて、最初にプロフィールのtaniMAXという名前の由来ですが、私の昔のあだ名と恩師の言葉をつなげ合わせただけの簡単なものでございます。

恩師はよく「最大のパフォーマンスを発揮するためには」

といったことを考えていたみたいでそのことが妙に心に残っていたので一部引用いたしました。

 

理学療法士としては

慢性期の病院で3年間勤務し、回復期病院へ転職し、今に至っております。

ただただ日々業務をこなすだけではと思い、いくつか自分にルールを作っており、

一年に一回は学会発表を行う

臨床での出来事・疑問は毎日何かにまとめる

といったことを行ってきました。(他にもあったのですが、生き残ったのはこの二つ)

 

本当に仕事が楽しくて初めての担当患者さんに感謝されたことや評価の時に自分の中で立てた治療計画がスムーズに進んでいくと本当に楽しく思えます。

まぁ、実際の所予想通りにいかないことばかりでそれもそれで楽しいのですが・・・

 

 

趣味は割とコロコロ変わってしまうのですが、昔から唯一変わってないものといえば漫画を読み漁るやサッカー観戦ですかね。

昔はお小遣いで一日漫画の立ち読みや満喫通いをしており、「あいつは漫画のある店に行くとだいたいおる」とまで言われていました。

最近の漫画の一押しは「アオアシ」や「三月のライオン」です。

なんなら「三月のライオン」に影響され、出勤時間は常に将棋を打ち続けています。

もちろん負け続けていますが・・・

 

サッカーは昔、プレミアリーグアーセナルが全勝優勝した年をご存じでしょうか?

実は私、その当時アーセナルのサッカーに引き込まれまして、今の今まで応援をさせて頂いております。

最近ではようやくDAZNに登録を果たし、嫁にチクチク刺されつつもこっそり観戦を楽しんでおります。

 

こんな私ですが一回目の記事でも述べた通り理学療法関連の勉強や思い、時には趣味に関することなど綴っていきたいと思います。

 

PS:今日は台風でしたが停電にならずに本当に良かった・・・