理学療法士の勉強メモ

このブログでは理学療法士として働く私の日々の勉強や疑問、はたまた趣味等を綴っていきたいと思っています

動作観察の修行方法! 動作観察への苦手意識から抜け出すには

こんばんは。

深夜のブログ更新にもだんだんと慣れてきました。今日この頃です。

昼間は働き、自宅に帰ってからは兼ねてから奥さんと約束をしていた

自宅内でのDIYに取り組み、部屋の模様替えをしていました。

その後、いろいろありまして、ようやく自分の時間を持つことが出来ました。(泣)

 

さあて、今回は新人セラピストの方が困るであろう動作観察についてです。

 

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私も新人の頃は動作観察が苦手でよく先輩に

全然、動作がみれていないとのご指摘を頂いていました。

 

歩行の動作観察が上手くなりたいと思い、書籍を片っ端から読んでみますが

どうしても臨床現場の一瞬の歩行がとらえられず、

このままではいけないと思い、いくつか練習方法を考え、実践してみました。

 

動作観察を行う!その前に・・・

 

〇動作の相分けを把握しておこう

今回は歩行に焦点を当て、動作観察の練習方法を記載しますが、

どんな動作であっても動作を分解し、相分けして観察することが重要です。

歩行動作であれば、近年メジャーなランチョ・ロス・アミーゴ方式の分類

起立や着座、階段昇降、普段臨床では見ることのあまりない跳躍動作等

基本的な動作は既に相分けがなされています。

動作を各相に分け、それぞれの相の特徴を把握しておくことが重要です。

 

〇観察する向きを考えよう

基本的に動作観察は矢状面・前額面から行います。

関節は矢状面・前額面・水平面で動くので(水平面は観察できませんが)

矢状面での観察からは関節の屈曲や伸展が

前額面からの観察では関節の外転や内転が観察する事が出来ます。

また、水平面に関しては矢状面からのつま先の向きや

前額面からの屈曲・伸展の程度、骨盤の後方回旋等から推察する事が出来ます。

 

〇動作の各相においてどの筋が大きく働くのか把握しよう

これは動作観察というより分析の観点が強いかもしれませんが

各相のタイミングで各関節ではどの筋肉が最も働くのか

が把握できていると観察の際に事前に要点を絞る事ができ、

スムーズに観察を行うことができます。

(例:MMTや粗大運動等で股関節の伸展が弱いとの評価があれば、

 正常動作において股関節伸展が最も作用するタイミングでの

 動作の問題が生じる可能性が高いと推察できます。)

 

ここで閑話休題

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おすすめの動作分析を学ぶための書籍

➀観察による歩行分析

有名な書籍の一つ。

ご存じの方も多いかと思います。

それでもこれをお勧めするのは下肢の各関節歩行周期に応じた

筋電図が記載されているからです。

歩行の基本動作と筋電図を比較して見れるからこの動きの時に

どの部分が働く等イメージしやすいです。

②動作分析臨床活用講座ーバイオメカニクスに基づく臨床推論の実践

 こちらも言わずと知れた有名書籍の一つ。

石井慎一郎先生の動作分析臨床活用講座。

歩行だけでなく、起居や起立まで基本動作を各相に分け、

それぞれの動作特徴・要点について纏められています。

実習等の際にはこれがあれば十分戦えるレベルです。

 

 

歩行の動作観察練習法

〇患者様の歩行動作の動画を撮る

これは最も基本的な方法だと思います。

動画を撮ることで何度も動作を観察でき、より時間をかけて

患者様の動作観察・分析に集中できます。

慣れない最初はこのような練習方法から始めるのが良いかもしれません。

 

しかし、この方法では一人の患者様の動作を掴めても

他のたくさんの方々の動作へ還元することが難しいです。

また、一人の動作を繰り返して見すぎてしまうと

極端に細かい部分まで観察できてしまう為、

その後の問題点の解釈がどんどん最大のポイントからズレていってしまう等

迷走してしまうことも少なくありません。

 

〇街中で歩行中の方を観察する

私をこれをよく実践していました。

障害を抱えていない一般の方でも正常歩行通りの動作を行う方はほぼいません。

皆さん、何かしらの特徴を持っています。

通勤の際の駅やデパートあらゆるところで動作観察の練習を行う機会はあり、

お金も時間もかかりません。

しかし、疾患を抱えている方と違い全体を観察する必要がある為、

慣れるまで難易度は高いと思いますが一度練習してみる価値はあると思います。

 

よくよく見ると多い歩き方が

・トレンデレンブルグ・デュシャンヌ徴候での歩行

 これは言わずと知れた股関節・体幹に問題を抱えている方が陥りやすいです。

 

・前遊脚期での内側・外側ホイップ

 これもよくよく見るとたくさんいます。

 足関節の背屈制限足底アーチの問題で上手く母趾側へ荷重が抜けない

 股関節伸展域での内旋が作れない方等に多い印象があります。

 

・上肢の振り・骨盤の回旋の左右差

 よく見るとこの辺りにも左右差があることが多いです。

 肩甲骨・体幹周囲の問題や単純に肩に荷物をかけている・股関節の可動域制限等。

 

・立位姿勢の崩れ

 これは動作ではありませんが、歩行を観察する上で

 重要な立位姿勢も左右差が生じていることが多いです。

 両側の肩甲骨の位置体幹の側屈股関節内外転角度足部の向き

 見ることでどのような歩行を行うのか仮説をたてることができます。

 

まとめ

 動作分析は本当に難しいです。

しかし、セラピストの資格を持ち、多職種に対して長所となるのが

この動作観察であると私は思います。

コツコツ練習して、迅速な動作分析を行える目を養っていきましょう。

 

また、一般の方の歩行を観察しつつ、機能障害を推測し、評価・アプローチ等

を考えることで臨床推論のトレーニングにもなります。

今でも私は時間のある時や今まで自分にないような視点を得られたときは

街中で動作観察を行い、自身の目をトレーニングするよう心がけています。

皆さん、共に頑張りましょう!