臨床研究(シングルケースデザイン)の考え方!ネタ帳を用意しよう!
こんにちは。
本格的に寒くなってきましたね。
私は京都に住んでいるのですが、
早朝はマフラーなしでは耐えることができません。(笑)
本業の仕事に加え、アルバイトのデイサービス等も忙しくなってきた為、
体調管理がなにより大事!
さて、今回は私が現在行っている臨床研究(シングルケースデザイン)の
内容を考える為に日々行っていることを纏めていきたいと思います。
目次
その前に・・・
〇まずシングルケースデザインとは?
その名の通り単一の患者様の有益な治療や特殊な病態等を報告することを指します。
基本的にシングルケースに求められることは
・珍しい所見、特異な臨床経過、難渋した治療や治療プロセス
・治療に対する稀な有害事象
・既存の理論に対する疑義
・新説の説明
等です。
個人的に私が日々の臨床で遭遇しやすいのは
珍しい所見か新説の説明です。
〇シングルケースデザインはどのような目的で行う?
日常の臨床から得られる新しい知識を普及させる為の一つの手段です。
通常とは異なる症状や経過、、珍しい病態、新しい治療の試み等
従来とは異なる事例を挙げ、医療のコミュニティの中で情報共有することができます。
また、以前の記事でも少し触れましたが、
自身の臨床推論や知識の幅を大きく広げることができ、
私は自身の修行の一環として患者様を担当する際はいつでも
シングルケースデザインとして纏めることができるよう
何かしらのデータを取るようにしています。
シングルケースを考えてみよう
〇ネタ帳を持ち歩こう!
シングルケースデザイン含め研究を行うには
まず研究内容をデザインすることが重要ですが
そのデザインの元となる疑問や課題は日々の臨床の中に転がっています。
臨床を行う中で少しでも疑問に感じたことやこれは面白いなと感じたこと
はネタ帳に忘れないようメモをして
実際に文章化していきましょう!
テレビの中のお笑い芸人等もメモ帳は持っていないかもしれませんが
普段の生活の中で面白いことがあれば、直ぐにネタにできるよう
アンテナを張り続けているといいますしね!(笑)
ちなみにここで得た臨床の疑問をクリニカルクエスチョン(CQ)といいます。
〇CQをリサーチクエスチョン(RQ)へ昇華させよう!
臨床の中でCQが得られたなら今度はその内容について調べてみましょう。
調べてみて、疑問に思ったことの内容が既に報告されているのか
まだ検討の余地があるのか等を確認します。
確認を終えたら、研究のデザインであるPECOにどんなものが当てはまるのか
検討してみます。
PECOとはP:患者 E:介入 C:対象 O:アウトカムを指します。
このようにCQの内容について調べ、研究の目的・仮説を明確にすることで
CQをRQへと昇華させます。
ここでまとめた研究の為の目的・仮説をリサーチクエスチョン(RQ)といいます。
〇先行研究の抜け穴を探そう!
CQをRQにする過程でPECOに研究内容を当てはめ、目的を明確化しますが、
自分の中のCQが果たして本当に新規性があるのか等先行研究を探していたら
だんだんとわからなくなることがあります。(私はかもしれませんが・・・)
しかし、先行研究をよくよく読んでみて
「なにが明らかになっているのか」
逆に「明らかになっていないことは何か」
といった視点で見てみるとまだまだ明らかになっていないことはたくさんあります。
〇あとは介入・文章化してみる!
CQがRQへと昇華でき、アウトカムの要素などが決定すれば、
後は実際に考えた仮説に沿って介入を行ってみるだけです。
しかし、ここで注意したいのが実際に計画ができても
上手くアウトカムのデータが取れない・取り忘れてしまうことが
過去の私はたくさんありました。
計画が完成すれば、研究はほぼ完了と言われていたりしますが
ここでも気を抜かず、最後までやり遂げましょう!
〇まとめ
私自身がシングルケースデザインを考える為に普段から取り組んでいることを
簡単に紹介させて頂きました。
こういうこと考えても実際の給与には繋がりにくいですし、時間もかかります。
それでも私は仮説・検証・発表の流れを一度行ってみて
考えていたことが形になると案外楽しいと感じる部分もたくさん出てきました。
日々の臨床でさらに負荷を増やすことは大変かもしれませんが
是非頑張ってみましょう!(←私自身へ発破をかける意味合いもあります。(笑))