利用者のやる気を管理する!自己効力感を意識してみよう!
こんばんわ。
諸事情があり1か月以上、更新を休止してしまいました。
しかし、今月末よりまたブログを更新する時間がもてそうな為、
また、1から頑張ってアウトプットを行っていきたいと思います。
本日は私も今勉強中の自己効力感(self-efficacy)について纏めてみたいと思います。
目次
〇自己効力感とは
行動を遂行することができると自分の可能性を認識していることを自己効力感と呼び、自己効力感が強いほど実際にその行動を遂行できる傾向にあると述べいます。
簡単に解釈すると、行動を行うのにどれだけ自信があるのかということですかね。
要はやる気です。(笑)
この自己効力感ですが欧米の研究では健康行動の自己管理や健康教育等の分野で
多くの研究がなされています。
では次に自己効力感が高い場合の報告を数件纏めてみます。
〇自己効力感が高いとどのような効果がある?
➀.回復期病院退院後の患者において自己効力感が高い群・低い群で
歩行速度やバランス、ADLの値をそれぞれ比較したものでは
自己効力感の高い群は歩行速度・バランス共に優位に高いと報告されました。
➁.慢性疾患患者において自己効力感と心理的ストレスとの相関を確認したものでは
やはり自己効力感が高い方がストレス係数は低いとの報告がされています。
等など、他にも様々な報告がされており、
自己効力感は健康指導等にも関わるリハビリテーションにおいて
非常に重要な視点であるといえます。
〇自己効力感の認識に影響を与える因子
➀行動に対する意味付け・必要性
何のためにその行動を行うのか明確である方が自己効力感は高く、課題にとりくみやすいとされています。
➁達成するための方法
課題を達成するための方法が明確であるほど自己効力感は高いとされています。
③物事の原因
これは少しわかりにくいですが物事の成功・失敗の原因と環境因子ではなく自分の能力であるとするほうが自己効力感が高いとされています。
➃認知機能
過去や未来の自分と関連付けることや自分自身を振り返る内省の能力が必要であるとされています。
これらは7歳~12歳頃に備わります。
⑤健康状態
より健康状態が良好な方が自己効力感は高いとされています。
さて、簡単に自己効力感に影響を与える因子について纏めてみました。
難しく書いていますが要は
課題や目的・方法が明確であり、成功・失敗の原因について
しっかりと振り返り・反省し、自己分析する事が出来れば
高い自己効力感を保つことができるのだと考えています。
〇自己効力感を得た結果生じるものとは
➀行動の達成
➁達成に向けた努力
③似たような状況での達成感
→似たような状況であっても同様の結果が得られる
➃心理的・生理的反応
→不安や恐れの強弱
が得られるとされています。
〇これらを活かすためには
まず、当然ですがリハビリテーションを行うにあたり患者様の自己効力感の高低
は今後の生活や訓練内容に大きく関わります。
日々の関りの中で機能訓練も出来、かつ自己効力感も高めるような関りが出来れば
本当にベストであると考えています。
患者様は、実際には運動ができていても
実際は行動に対する自信がないことが予想されます。
何故なら、自分が上手く歩けているのか・筋力がついているのか等
細かな変化を自分だけで気づくことはなかなか出来ません。
患者様の支援として専門知識と技術に基づいた方法で成功体験を蓄積していき
医療従事者又は家族や友達から賞賛等のフィードバックを与え、
また、他の患者様等の成功等を目の当たりにすることで
運動自己効力感を高めることができると考えます。
当たり前のことですが本当に日々の臨床の中で
この自己効力感いわばやる気の重要性はひしひしと感じます。
リハビリ専門職としてどのように患者様の変化を出すのかに加え、
それをどのように患者様にわかりやすく伝え、やる気を引き出すことも
重要な技術であると言えると思います。
今回は自己効力感について簡単に纏めただけで実際にどのように評価を行うのか等
まだまだ、勉強しなければいけない部分はあるので
またの機会に纏めれたらと思います。
引用文献
高齢入院患者の運動自己効力感を高める要因:北脇ら,米子医誌 J Yonago Med Ass 68,9-16,2017